俺の夏休み 8月11日④NTR夏の陣.いつまで続くんだコレ?まさかアレか?エンドレス何とかか?

 教室に帰って来た。体育館での謎の発表会は中断させた。

 俺がイクエちゃんの首を締めて…止めた。

 そういう暴力的な事はしたくなかったが…

 そして何やらまた洗脳したらしく、全員校長の話で終わったと思っている。

 田辺君は朗読したから覚えているようだが…


『ネタキュンシュ…田辺君…彼には気をつけて…力の持ち主よ…』


 いや、そういうの良いから。例えそうだとしても俺は何も言わないよ。田辺君とは友達だからな。


 とにかく!後は先生が帰ってきてホームルームやッて終わり!さっさと家に帰ろう、今日は厄日だからな。




 俺が先生を待っていると、タツが教卓の前に出てきた。

 もうやめろよ、何で今日という日にイベントを集中させるんだよ…疲れたんだよ俺は…


 カッカッカッカッカーッカッカッカッカッ


 タツが黒板にチョークで文字を書く。


『ヒロは学園のアイドルである藤原龍虎と付き合う事に躊躇しているのではないか?』


 俺は…どっと疲労が押し寄せた…今日が長い。


「クラスの皆の意見を聞きたい」


 「はい、クラス委員の吉川幾重です。それは勘違いだと思います。貴方はアイドルではなく地面が糞まみれの醜いアヘ顔トーテムポールです。貴方はそこら辺の便器に刺さって石を投げられるべきだと思います、感度三千倍の野外の便器。賛成の方は挙手しないで下さい」


 しーーーーーーーーーーーーん


 上手いな、全員関わりたくないから、目を逸らしている。だから微動だにしない。

 多数決の結果、タツは地面が糞まみれの醜いアヘ顔トーテムポールになった。


 パキィッ…チョークを折るタツ…何やってんの?


「ム?今、役員会議で突然社長を降ろされる奴の気持ちが分かった。こうなる事は分かっていたが…謀には断じて屈しない」


 じゃあ聞くなよ…


「そうだな…例えば田辺某!どう思う?」


 えっ?僕?っと凄い嫌そうな田辺君…ゴメン…


「そんなに格差は無いと思います。気にしすぎたと思うけど…」


 言い方を変えると『自意識過剰だと思うけど』をオブラートに包んでいる。


「そんな事は聞いてない。どうやったらこの格差を安心させてやれるのか?そこが肝要だ。もっとストレートに。もっとオレに有利に。」


 酷いな、絶対違うであろう答えに誘導しようとしているクソポール。


「えーっと…自意識過剰だと思います」


 あ、言った。


「誰がコンテニュー画面でカウントダウンしているのに連射しろといった?VRゴーグルを無償で貸してくれる田辺某はそんな事言わない」


 鷹の様な目で…いや鷹じゃないな、馬鹿の目でだ。

 とにかく止めさせよう、俺は帰りたい。


「タツ、皆の前で言いたくないが、皆もご存知の通り俺はアイカと付き合っている。お前との格差には悩んでいない。だから気にしないでくれ。お前が何しようがとりあえず大丈夫。そもそも俺はアイカを寝取られ…う…ネト?…ら…」


 危ねえ!?今クラス全員の前で寝取られた事を発表しそうになった!?

 何で全員俺の方見てる?目を泳がすと廊下側の上の小窓からアイカが濁った目で見ていた…何だコレは?…


 イクエちゃんが動く…醜悪な、笑顔で…


「イカが?ネトネトに寝取られ?ねーとーらー?えぬ、てぃー、あーーー?」


 クソ、馬鹿にしやがって…

 俺は…苦渋の選択をする。だってタツが悪いから。話をすり替える。


「とにかく、タツがホテルからヤクザと出てきたのは間違い無い、俺は見た。中学の時、ヤクザの事務所に入っていったし…もしかしたらヤクザとお知り合いなのかな?って。」


 俺は卑怯者の誹りを受けても構わない。いや、最初にはじめたのはタツだ、目には目を…だ。

 直後、タツの目が…大きくかっ開いた。


「ヒロオオオオオオオオ!?その件は納得されたと仰った筈だがっ!?蒸し返すならオレだって尻の穴の『やめろおおおおおおおおおおおおお!!!』


 俺はタツがホテルから出てきた日、結局色々騒いだ挙げ句、尻の穴で致した。

 それを…学校で音声のみ流した。タツが…


「待って!だったら私だって…言いたい事があるわ!」


 その時、イクエちゃんが動いた!

 動かなくて良い、黙ってろ、動くなと思ったが動いた。


 カッカッカッカッカーッカッカッカッ


『私が根多君に丸呑みにされ、コスチュームだけ排出された話』


 だんだん俺を題材にした小話合戦みたいになってきた…

 

―――――――――――――――――――――――


「ネタキュンシュ…今日こそ善なる根多君を返してもらうわ!」


 根多君にそっくりの…赤黒く角の映えた鬼…


「また貴様か…もう飽きたな…」


「くっ!馬鹿にしてぇ!アマデウスを!根多君を!返しなさいっ!」


 私は力の限り権能を繰り出す、神速の雷光…七支刀による斬撃…その全てが弾かれる。


 一心不乱に…持ちうる力全てを…心を無に…しかし…何かがおかしい…


「お前、自分が何やってる分かってるか?俺を撫でる様に棒で殴りながら、空いてる手で自分を慰める…流石に着いていけないな…実はМのS嬢気取りか?」


 え?あ…手が股に…ハイレグがズレて…


「アフ♥アファ♥え?いや!?いやぁ!?何でぇ!?見ないでっ!?」


 私が素早く秘部を手で隠すと馬に乗った三眼六臂の化け物が現れた…よく見ると馬が人間…


「ヒロ、そういうプレイはノーサンキュー。NTRはプレイじゃない。NTRは事象。見て聞いて楽しい、やられたら悲しい。だから私は馬にする。いつかこの馬は矢に射抜かれて、そうだな。白く頑丈だから、白いコンド◯ムになる。だが、オレにコンド◯ムは要らないらしい。このクイズ、ヒロに分かるかな?」


「タツのクイズは答えをその時に考えるから分からない。それよりも今夜…な?」


「ム?ヒロ、NTRからの元鞘は許さんぞ?鞘に戻すなら抜き身のままで。気持ちよく無い豆はさやえんどう」


 馬は…もう一人の私…アマデウスだった…

 馬になるアマデウス…私の…もう一人の私…


「彼女を!か、返しなさいよ!アマデウス!?しっかりしてっ!」


 しかしアマデウスはネタキュンシュに近づき足を嬉しそうに舐めていた…私はついつい目を背けた…


「あ、ああ…そんな…アマデウス…え!?」


 背けた目を戻した瞬間だった…眼の前に広がる口…ネタキュンシュの口だった

 

「ヒィィッ!?やめてっ!お願い!許して!アブっ!モゴ!モゴガ!」


 そのまま抵抗するも丸呑みにされる私…気付けば小さな洞窟…違う…ネタキュンシュの体内にいた…


「身体が溶ける!?力が吸われて…身体が火照る…♥いやぁ…♥」


 権能で形成された鎧は消え、ハイレグレオタードにグローブブーツ姿になる…髪は黒髪に…アイマスクは眼鏡に変わる…つまり変身が解けている…


「ゆるひてぇ!♥もうわらしらめなのぉ♥」


 自分を慰めていると肉壁に大量の触手が…いよいよ私の穴という穴を…


―――――――――――――――――――――――


「そのとき、私の全ての初めてを奪われ、力を奪われ、初めての快楽にグエッ!?」


 俺は素早くイクエちゃんにフロントチョークをキメた。

 イクエちゃんはこの様に、時折意味不明な妄想を押し付ける…とゆうか今のシーンは夢でみた。

 俺の胃で人間溶かすという異様に疲れる夢だ…


 後、タツっぽい化け物がメチャクチャ頭が悪いんだよなぁ…アレ、イクエちゃんのイメージなんだよな。あそこまで頭悪く無いと思うけど…


 「おも…い…す…この…にく…ぼ…」


 サスサスサスサス…イクエちゃんが例の部分をサワサワ触る…


 俺は我慢の限界、首をキメたままロッカーに突っ込んだ。


「フッ(笑)おいおいヒロォ…そのホテルはオレとヒロの…グワッ!?」


 アメリカ映画の悪役みたいに近寄ってきたタツを同様にロッカーに突っ込む。


『根多君、思い出して!あの逢瀬を!そしてこんな馬鹿と同じ所は駄目!バカになる!』

『ヒロ!?今のはおかしい!オレは何もしていない!冤罪だ!何が大事が思い出せ!それはオレ!タツ!』


 俺は馬鹿2人が入ったロッカーをガムテでグルグル巻にした。

 そして3階のベランダから投げ捨てる事にした。

 

 しかしなかなか重い…田辺君を見る。


「田部君、俺は君がなんだって構わない。高校からだが友達だと思っている。だから……頼む」


「分かったよ…でも一つだけ言わせてよ。僕は親友だと思っているよ」


 俺はニコっと田辺君を見て笑うと笑い返してきた。

 

「皆、俺を信じてくれるなら…このロッカーをベランダから落とすのを手伝ってくれ!」


 全員お互いを見合ったが…


『そうね。根多君なら!』『あぁ根多なら多分大丈夫だ』『そうね藤原さんと根多君なら間違いなく根多君が正しいわ』


「イクエちゃんもいまーす!」 


 イクエちゃんは無視されているが…皆が…ロッカーに集まりベランダに押している。

 そしてタツ…お前の世間の印象も相当悪いが…



 オーエス!オーエス!オーエス!



「こらぁ!なんの騒ぎだ!」

 突然先生が入ってきて注意するが…


「先生、タツをベランダから落とさなきゃ今日が終わらないんです(?)」


「ナニィ?……………根多、下に人がいるかだけ注意しろ。」



 先生の許可か降りたのでクラスの皆でタツを3階のべランダから落とした。


 最後の最後に聞こえたのはイクエちゃんがタツを『全然人望無くてウケるw』と煽っていた声だった

。 

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