ミステリとは、違和感を覚えたらそれを抱えて先に進むものである。
少なくとも違和感があるはずだ。それは絶対に大切にして欲しい。
けれど違和感を抱えながらも、その正体がなかなか掴めないのだ。こうかもしれない、いや違うかもしれない、そう考えながら読み進めるのがミステリの醍醐味である。
どこかぼんやりとしたような違和感が、ほどける瞬間がやってくる。
明かされた時の驚きと納得。違和感を確かめるために前へと戻る。
なるほど、これであったのか、と。
そしてタイトルを見る、またしても納得するのだ。
これほど見事にひっくり返し、そして幕を引く作品はなかなかない。
ぜひご一読ください。
最後にどんでん返しがあります!
…とうたっている映画や小説はよくありますが、
本当に最後まで謎のままで、しかもこんなにも爽快に幕をひいた小説は、この作品が初めてです。
序盤、主人公の希薄さにやや不安を覚えましたが(笑)、それこそ作者の目論みの一つでもあるのです。(私はまんまとやられました…笑)
ネタバレになってしまうのでは、と思いましたが絶対この謎と違和感は最後までとけないと思うので、書いちゃいました。
このレビューを読んでから、本作品を読まれる方は、心してかかるように!
エピローグ最後まで読んでから、タイトル「沈黙捜査」の文字を見ると、あらためてそのタイトルの重みが伝わってきます。
全てにおいて、読者は騙されるしかない。
それが、最高に気持ちがいいです。
序盤で「ほほう……」となり、中盤で「え?」となり終盤で「えええ!?」とその文の巧みさに思わず唸ってしまう、そんな素晴らしい本格ミステリーでした。
怒涛の伏線にハラハラドキドキの展開、からの気持ちのいいラスト!
読みながら一緒に推理しつつ、明かされていく真実に驚かされ、納得させられ、いつの間にかのめり込んでいること間違いなしです。
正直、無料で楽しんでいいクオリティを余裕で超えています。真相を知った後でもまた読み返したくなる。それくらい、沢山心を動かされ、そして楽しませていただきました……!
ミステリーとしてはもちろん、刑事ドラマ物としても完成度の高い作品なので、ミステリー好きな方や現代ドラマ好きな方に特にオススメしたいです!
是非、ご一読ください!!