第5夜 ワインがぶ飲み
正覚坊って、ウミガメという意味のほかに、大酒飲みという意味もあるらしい。
のっそりマイペースでそこそこ酒飲みな私には、ふさわしい名前であろうフン。
今宵は赤ワインだ。
千円前後の安いボトルでいい、こだわりを言うなら個人的には後味がスッキリと感じるイタリアのものを好む。
グラスに少量注いでスワリング、香りを嗅いで嗅覚が喜ぶのを確認できたらそっと一口。舌でぶどう酒をこねくり回しながらアルコールの刺激を味わい、鼻を抜ける酸味と極上の甘き余韻に浸る——。
とでも思ったか。
誰がするか、こんな
惜しみなくラッパのみの勢いで、ワインにがぶがぶ溺れたいからに決まっておろう!私には、''
今夜は口が渋みを求めていたからワインというだけだ、アルコールを渇望する心を満たし酔いに酔えればそれで良いのだ!
とはいえ、オシャレ感は出したいと思い、ダイソーで購入せしワイングラスは常備している。もちろん、なみなみに注ぐがな。
キッチンの隅っこにボトル一本、IH隣りにグラスを添えて。ベビーチーズよりも安いトップバリュのアーモンドチーズを小皿に盛り付ける。これで、成る。
そういえば、かの世界的作曲家・ベートーヴェンは一夜で一本を空けておったと言うではないか。Hun負けへんで。度数15%あたりの750㎖程度、チョロいもんよ。
ところで先日、日帰り旅行で
だがもっと幸せだったのは、道の駅にて土産に明日香村産甲斐ノワールなるものの飛鳥ワインを買ったことである!旅行一番の勝利品である!さすがわて、酒だけは外さぬ。ご当地とあらば、少々値が張ろうとも惜しまず懐の銭と交換するものだ。
いつ開けよう。
ちょっと特別な夜のためにしばらくとっておくかな、せっかくだから大事に飲みたい。
古墳の景色を回想しながら飛鳥の味に溺れる瞬間が訪れるのを、また楽しみに待つとしようじゃないか。えへへ。
いらっしゃい。
二日酔い確定の夜をともに過ごそう。だが、中毒にならぬように。
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