Day.6-1 【再開】決意

 1980年9月6日(土)

 土曜日だと言うのにスーツ姿の社会人が多い。そうか、午前中仕事の、俗に言う「半ドン」か。

 俺も小学生までは土曜日学校に行っていたもんな、などと思い出す。

 

 昼休憩どき、ついにオーナーから声をかけられた。

「まかないのコーヒーとトーストができたから、座りなさい。」

「ありがとうございます。」

「あんた」

 オーナーはくわえタバコに火を点け、息を吸ってから続ける。今日は比較的客が少ないもんな。

「周りから批判されるのが嫌だっていうのは、それだけその「周り」ってやつが大事だからなんじゃないの?」

 オーナーも俺にかける言葉を探してくれていたみたいだった。

 ーー大切な人だからこそ煩わしい、か。

「あんたは、私とは違うみたいだからね。」

「え…?」

 それっきり、オーナーは黙ってしまった。

「ご馳走様です!仕事に戻ります」

 元いた時代に戻りたい。仕事が終わったらすぐにゲームを起動してみよう。

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