第五話

 ましろが首を傾げた。

「……あんた達の格好そのなんなの?」

「これ? 空太お揃いのを買ったんだよ!」

「へー」

 曖昧な返事をし日奈の肩に触っていた。

「……なにこれ。気持ちいい」

「でしょ」

「……」

 無言でずっと触っていた。

「……ねえましろちゃん。もうよくない?」

「いやいや、まだまだ」

 そしてましろの手が肩から胸に移動していた。

「……ねぇましろちゃん。なんで胸を揉んでいるの?」

「何言ってるの、それはおっぱいがあったら揉むでしょう? 空太もおっぱい揉むでしょう?」

「同意を求めるなよ……」

 興味はあるが同意を求められても困る……。

「おっぱい以外も触りまくってやる!」

「「いやあぁぁぁぁぁ!」」

 ついに日奈の悲鳴を上げましろが全身、触っていた。

「あははっ!! ましろちゃんくすぐったい!」

「まだまだ、堪能しきれない!」

「あははっはっ! ってまた胸揉まないでよ」

「ぬへへへへっ!」

 三十分ぐらい日奈はましろの餌食にされた。

「……ふう、日奈猫ゲットだじぇ!」

「助けて」

 日奈がぐったりしていた。

 仕方がない助けてやるか。

「ましろそこまで」

 ましろの手を掴んで日奈からいったん離した。

「いや、空太のはいらないから日奈のおっぱいだけで十分だし」

「誰も言ってないし……。というか、それはそれでハブられて辛いからやめて」

「あいよ」

「それで今回はどうしたんだ?」

「ん? あぁはいよ。クッキー」

 ましろはたまに自分のクッキーを作り俺たちに渡してくれる。

「ほーら日奈ちゃーんクッキーですよ~」

「しゃぁぁぁ!」

 警戒をしていた。本当のネコみたいに毛が逆立っていうようにも見えた。

「ほーら怖くなーい」

 クッキーをブランブランと揺らし日奈に見せていた。

「……にぁ」

 おっ、ちょっと大人しくなったか?

「ほい、顎乗せ」

 ましろが手を出した。

 ポフッ。と、日奈は顎を乗せていて、ましろから「よくできましたー」とクッキーを貰った。

「さあ、食べて、食べて~」

「「いただきます」」

 イチマツ模様になっているバニラとココアクッキーを一口かじった。

 サクサクとっしてバターの味がしっかりと残っていて美味い。

「美味いなやっぱり」

「ねぇ好き」

「良かった良かった~」

 ましろは頷きながら自分のクッキーをボリボリと食べていた。 

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私と付き合わない? 二髪ハル @2kamiharu

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