第18話 その意味は..


―バレンタインデー(下校)―



下校はいつも通り美咲の下校の班と一緒になり、帰る。


正直、1個貰ってテンションが高かった。


美咲「…」


隆之「なんだよ」


美咲「なんか妙にテンション高いのがムカつく」


隆之「別に高くない 高くない(笑)」


美咲「...そのさ、言いたいことあるんだけど」?まさか違うよな?


隆之「…」


美咲「なんで黙るのよ そのさ..」俺は緊張していた。


隆之「…」









美咲「寄り道したいところがあるんだけど?」


隆之「寄り道?」


美咲「うん..」


隆之「どこ?」


美咲「中央公園」それは、小学校付近の公園だった。


隆之「でも、それ学校に戻ることになるぞ」


美咲「いいから.. ダメ?」女子にそんなことを言われて無理な男などいない。


隆之「..分かったよ」


美咲「ありがとう」そして、他の下校メンバーに先に行っててと言い、中央公園に向かった。



そこを見るに誰もおらず、静寂があった。





―バレンタインデー(中央公園)―


隆之「そのさ..話って何?」



美咲「…」


隆之「どしたんだよ」







美咲「私が話あるんじゃないの!」


隆之「はっ?」


美咲「もうすぐ来ると思う」


隆之「だr」そう言おうと思った矢先にその姿が見えた。

いつもの制服ではなく、白のニットにピンクのコートを羽織り、黒のロングパンツを履いてそこにいた。こんなこと初めてだった。


だから


隆之「かわ」俺は、その言葉を言おうとしたが、理性を取り戻し舌を噛みそれを言うのを止めた。


だがやつは、それを見逃さなかった。


美咲「ねぇ、いま可愛いって言おうとしたよね(笑)」


隆之「はっ ち、ちがうし」


美咲「じゃあ、なんて言おうとしたのよ(笑)」


隆之「...かわしも どっちだろうってさ」


美咲「嘘下手すぎでしょ...」そして、遠くにいた歩がこっちにやってくる。


歩「ごめん 遅れちゃった」そう言いながら前髪を整えるしぐさを取る。近くで見るとやばいので違う方向を見ながら


隆之「で、なんだよ 話したいことって みさき」


歩「それは、本人から聞いて 私は帰るからさ」


隆之「はっ? おい えっ?」そんな俺を置いてトコトコ公園を出ていく。


まじかよこの状況まずいだろ。


そして、公園の静寂が再び訪れた。


どうすればいいんだと考えていると


歩「ふ ふ」


隆之「どしたんだ?」


歩「んん なんでもない(笑) 今日さ何の日だっけ?(笑)」笑いながらそう言った。


隆之「あくま」


歩「ふ ふ(笑) ごめん 可愛くて でね、これ ほんとは学校にいる時に渡したかったんだけど」そう言って、四角い箱にリボンがしてある箱をもらった。


隆之「ぉ俺にか?」


歩「ここで違かったら面白すぎるでしょ(笑)  これは たかゆき にだよ」


隆之「ぁありがとう」そう言ってチョコをもらい、ランドセルにしまおうとする。


歩「...そのさ よかったら今食べてほしいな..」


隆之「食べさせていただきます!」速攻で答えた。


歩「笑」


俺は、丁寧にリボンを開け、中をあけた。


そこには、手作りのハートのチョコとハートのチョコクッキーが入っていた。


俺は、すごく嬉しかった。


隆之「食べていいか?」


歩「うん..」


隆之「...」俺が無言でいると


歩「あっ もしかしたらおいしくなかった?」


隆之「違う おいしくて(笑) これあゆみが作ったのか?」


歩「うん 何度か失敗したけど がんばって作ったの」


隆之「すごくおいしい これもおいしな これも」俺が次々に食べていると


歩「ふ ふ(笑) 落ち着いて食べなよ」と言いながら俺の口に付いたチョコをティッシュで取ってくれた。


俺は、その通りゆっくり食べて


隆之「ごちそうさまです 大変おいしかったです」


歩「食べきってくれて私もうれしい」


聞きたい事がある..



隆之「そのさ これって..」


歩「…」


隆之「…」


歩「これって?ってどういう意味?(笑)」


隆之「いや..」


歩「ふ ふ(笑) たかゆきの想像に任せるよ」


隆之「なんだよそれ(笑)」


歩「でも、これだけは言えるよ チョコを渡したのは、たかゆきが初めてだよ 他の誰にもあげたことが無い」


隆之「…」


歩「これで分かってほしい..」そう言って

歩「じゃあ、また明日!」と言いながら歩は帰っていった。


俺は、その背中を見送り俺も公園を後にした。


俺は、いつも通り自宅に帰り、いつも通りをしてから就寝した。


そして、2月も終わり、3月の14日には、歩と美咲の2人ともに市販で申し訳ないがクッキーを渡した。


2人とも喜んでいたので一安心した。


そして、俺たちが旅立つ卒業式当日となる。




まだ、俺にはやり残した事がある..

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る