第3話


「話があるのですがよろしいでしょうか」


何故か突如と現れた夏目にそう告げられる。だが決して彼が口を開くことは無い


(いや、話したくないんだが。まじで無理なんだよ、また痛いこと言っちゃうじゃんもうこのキャラなおせないんだよ!)


何故ならばこうだから元々のアホ属性加え【死神】などという厨二病患者大歓喜の通り名をつけられてしまった彼は何故かこういう口調になってしまったのだ。内面はアホ外面は痛々しい厨二キャラ。

もはや属性過多である。


「……やっぱり話さないですね、構いませんよ人間死ぬ時は死ぬ時は死ぬのですから、あなたと関わったからと言って必ずしも死ぬ訳では無いです」


控えめに言って肝が座りすぎでは?ヤクザもびっくりするくらい肝が座っているではありませんか。


「…で?俺になんの用」


「単刀直入にいいます、あれほどの事をされてなぜ何も言わないのですか?」


「面倒だからだ、関わって来ないだけマシだ、まぁ俺と関わるならお前みたいな死ぬことを怖がらないやつらだけだ」


(普通関わっただけでしなねぇよ?いや、関わったやつ10割死んでる人間が言うことじゃねぇけどさ)


全くもって説得力がない。あの後関わった警察、心配した保護センターの方もれなく4名死んでいるのだ、もはや呪いではないのでは無いだろうか


(え?てかやばくね?そんな奴に良く話しかけんな…てか痛すぎだろあのセリフ。悪魔かなにかかよ俺もはや魔王で笑える)


いや全くもって笑えない、それは彼の価値観が1周まわってるだけである

初見のRPGで最も嫌われる初ターン全員即死攻撃する敵と同等である


「怖がらない、ですか…もちろん怖いです」


「なら何故?怖わいのに来るとは、おまえはただのアホか?」


どの口が言っている


「アホですって?人をアホ呼ばわりするのをやめてくれませんか?」


「そうでなければ俺に話しかけないだろ」


「話しがあるのですから話しかけるのは当然です」


「だとしてもおまえは数多くの人から心配されておきながらよく話しかけようと思ったな」


「私の問題なので他の人は関係ありません」


「水原彰人が心配していたとしてもか?」


「!」


そう、この学園の二大美少女のうちの1人である夏目、そして屋上を開けた【春野はるの 結衣】は水原に好意を抱いている。しかし水原自体がとてもイケメンで、部活のエースや頭脳明晰な訳でもない中の下くらいの凡人で、強いてあげるのであればとてつもなく鈍感な所くらいである。


「彰人は関係ないじゃないですか!」


「あるだろ、だって好きなんだろ?お前が死んだらどう思うんだろうな」


「それは…」


「もしかしたらお前にだけ不幸が降り注ぐとは限らないしな」


「どういう事ですか!?」


そう、彼が直接関わった人間は今のところ10割死んでいるが間接的に関わった人間が死ぬケースも稀にだが存在する


「過去にそんなケースがあったって話だ、ないとも言えないだろ?」


(いや俺神様かなにかですか?そんなこと出来ませんけど勝手に関わった人達が死んでくしなんかたまに伝染するしわけわからん)


「しかし、それでも言わなければ行けません…授業をまともに受けずあまつさえ授業にも出ない人間には負けません!」


「お前と俺じゃ差が大きすぎる、諦めろ」


(いやぁぁぁ、はっっず「諦めろ」じゃねぇよぉ!)


「ずいぶんと舐めてますね…!」


「舐めてるんじゃない、事実だ」


「そうですか!あなたには負けられません……またあした、ここにきます」


「は?」


「それでは」


(え、なんで明日も来んの?普通に用終わっただろもう)


何故か夏目は明日も来るようだ。理由は本人にしか分からないので突き詰めようもないがこの時間は…


「いや今三限だけど、なんでこれたの?」


意味がわからない、全くもって分からない。明日も三限に抜けるようであればもう立派な不良少女である。不良たちが学年1位と2位とはもはや終わっているのでは無いだろうか。



ーーーーーーーーーーーーー



次の日



「約束通り来ました、これが今回の各教科の授業内容です」


「俺が必要だと思うか?」


「そんなことは知りません、ただこれで勝っても意味が無いので」



次の日



「今日は家庭科は調理実習でした。これです」


「持ってくる意味があるのか?」


目の前にはスイートポテト、と言うべきなのか果たして本当にスイートポテトなのか


(え、黄色…かったよなスイートポテト。なにこれ?緑?葉っぱでも混ぜた?)


「食べてください」


「なぜ」


「食べてください」


「なんでか聞いて「いいから」はい」



次の日



「今日は林間合宿の班を決めました、残念ながらあなたは入っていませんでしたが…」


「それよりもお前が昨日食べさせたあれはなんだ?食料か?それとも生ゴミか?」


「んな!?あれが生ゴミだと言いますか!」


どう見ても食べ物では無いことは確かだ


「もうあげません!帰ります」


そうして夏目との時間は案外、ほんと少し、いや雀の涙ほどではあるが彼が学校に行く理由になりつつあった


「はぁ、疲れる…でもまぁいい暇つぶしにはなるかもな」


しかし幸せな時間は彼にはない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る