独りの月

黒鏡 しく

第1話:記憶

 ???「こっちに寄るんじゃねぇよ!暗いのがうつる〜」

 僕ってそんなに暗いのかな?ただ普通に生きているだけなのに…。

 何時からだったろうか、特に何も容姿を変えてはいないのに周りの子達に「月葉君ってなんか…暗いね」とか「月葉君って雰囲気怖いね」等と言われるようになった。

 中学に上がるとそこにいじめが加わった。周りに話しかけても無視されるようになり誰も僕とペアを組んだりはしてくれなくなった、体育の授業や4〜5人でチームを組んで1つの事を調べる授業等ではいつも先生と組んだり先生に言われてチームを組んだりしていた、チームを組んだのは良いけど一人にされたり、無視、何も任されない事がよくあった。他の子達は、楽しそうに友達同士でお話をしながらしているこの授業は独りの僕にとっては楽しくない苦痛の時間でしかなかった。

 僕は「いじめられている」と親には言わなかった、心の中の何処かで親に言っても何も変わらないと思っていたから。先生にも言わなかった言ったところでいじめをしていたなんて理由で中学生が退学なんてありえないし、もし先生に言ったとしても先生がいじめをしていた生徒に話をしたとしてその生徒は反省をしたフリで終わりだろう。

だから僕は周りに何をされても言われても気にしないように心に蓋をして中学生時代を独りで過ごした。

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