2話  ストリング帝国帝都バベロン

 あれから、村を出発して半日ぐらいでストリング帝国の帝都バベロンに着いた!


 馬車を使っても絶対に1週間以上はかかるものを俺は風魔法を使って空を飛びながらきた。

 もっと早く飛べば、半日もかからずに1時間で着いていたと思う。


 とりあえず近くの森に降りてから門があるところに向かい何事もなく通過することができた。



 空はもうオレンジ色に染まっていて夕日が輝いて見えた。


 「冒険者登録は明日にするか。今日は宿探しに専念して明日登録すればいっか。部屋は狭くてもいいからなるべく料理が美味いところがいいな。バベロンの料理は美味しいって評判だから結構楽しみなんだよな」



そんなことを考えてると後ろから声がした。



「そこのお兄さん宿屋をお探しですか?」


「・・・そうだけど、君は?」


「私はアリア。ここの近くで新月って言う宿屋の看板娘だよ。もし、宿探しに困ってるならうちに来なよ!私のお母さんの料理はとっても美味しいって人気なんだよ。後悔はさせないと思う。どうかな?」


「・・・じゃあそうしようかな。ちなみにお風呂はある?」


「うん!あるよ。ただやっぱりうちのオススメはご飯だよ。お母さんの料理を食べたらきっと美味しいって驚くよ絶対!」


 「それは楽しみだな」


「うん!楽しみにしてて。・・・そういえばお兄さんの名前はなんて言うの?」


「俺の名前はタキト」


「そっか、タキトって言うんだね!じゃあタキトって呼ぶから私のことはアリアって呼んで」


「・・・・・・・・・・」


 少しだけ無言が続いた。


 自分の名前を呼ばれるのは久しぶりだった。理由はそれだけじゃない。

 アリアの俺への呼び方が少しミーファに似ていたからおもわず黙ってしまった。


「嫌だったかな?」


「そんなことないよ。よろしくアリア」


「こちらこそよろしくタキト。じゃあ自己紹介もしたことだしそろそろ行こうか」


 そうしてアリアに引っ張られながら新月と書いてある看板の目の前まで来た。



 「ここが新月だよ。ちょっと待っててね」


「お母さん新しいお客さん連れて来たよ!

・・・・あれいないのかな?お母さーん」


 「でっかい声出さなくても聞こえてるよ」

「はぁ・・・いらっしゃいお客さん。たぶんうちの娘が強引に連れて来たんでしょうがゆっくりとくつろいで行ってくださいな」


  店の奥からアリアのお母さんらしい人が出て来た。


 「アリア、お客さんを部屋に連れて行きな。それと夕飯の時間だったりいろいろと教えておくんだよ」


 アリアは「わかったー!」と元気な声で返事をしながら俺を部屋まで案内してくれた。


 「ここがタキトの部屋だよ。夕食は時間になったら呼びにくるから部屋で待ってて。それとお風呂はいつでも入っていいけど女湯には入らないようにね」


 そんな冗談言いながら一階に降りて行った。


 1人になって、部屋が一気に静かになった。


1人になるとやっぱり復讐のことを考えてしまう。けど、そこで考えるのをやめた。


 確かに復讐は俺にとって大事だ。だけどいつもそればかり考えていたら疲れてしまうし、俺はミーファや村のみんなの分も幸せにならないといけない。

 そっちの方が皆んなも喜んでくれるだろう。そう思いながらベットに横になって目をつぶり深い眠りに入った。

 

 それから時間が経ちアリアが呼びにきて、夕食を食べることになり、席についていると夕食が運ばれてきた。


 「今日は肉のステーキとポテトサラダに野菜スープだ。ステーキの付け合わせのパンはおかわり自由。・・・・ん、そういえば自己紹介がまだだったね。私はアリアの母親で新月の店主のメリルだ。さぁ冷めないうちに食べておくれ」


 「わかりました。じゃあいただきます」




 結果から言うとすっごく美味しかった。アリアがあんなに自慢するのもわかる。


 「・・・どお?うちのお母さんの料理美味しいでしょ!」


 「・・・ああ美味しかったよ。特にステーキがタレと良くあっていてそれを、パンと合わせると最高だったよ!」


 「そうでしょ!そうでしょ!お母さんの料理はすごいんだから。食べた人を幸せにしてくれるの。私も早くお母さんのような料理を作れるようになりたいな」


 「アリアならすぐに作れるようになるよ」


 「ありがとうタキト。頑張ってみるね」


 そんなふうにアリアと雑談しながら夕食を食べているとと隣のテーブルから話し声が聞こえてきた。


 「・・・なぁ知ってるか?今、バベロンに世界三大美女が揃ってるって言う噂」


 「知ってる!知ってる!ていうかどうやらその噂は本当らしいぞ。3人は普段から仲が良くて、よく一緒に集まってるらしい。ただ今回はたまたま3人とも、バベロンに用事があったから、集まったらしい」


 「まじかよ!会いに行きてーな。遠目から見ただけでもあの3人はこの世の物とは思えない美人っぷりなのに、実際に間近で見たらどうなっちゃうのかな俺」


 「・・・いや知るかよ!だいたい俺たちみたいなのが、見ることはできても喋ることはできないだろ」


 「それはそうだけどさ。人間は夢を見る生き物だぞ。って言うことでお前はあの3人の中で誰推しだ。ちなみに俺は舞姫様だ。あの可憐に踊る姿に、俺は胸を打たれた」


 「何言ってんだ!確かに舞姫様も魅力的だが、1番はやっぱり聖女様だろ!癒しの力を使い誰にだって優しくする姿に俺の心は打たれた」


 「おいおい、お前ら正気か?確かに舞姫様や聖女様も魅力的だが、1番は美姫様だろ!勉強も魔法もなんでもでき、みんなに優しい。そして我らがストリング帝国のお姫様だ!全てを持っている美姫様が1番に決まってる」


 新月の中では世界三大美女の中で誰が一番かを決める流れになって行き、互いが知り合いか、知り合いじゃないか、関係なく口論が続いた。


 「はぁ・・・・・・まったくもう。みんなあんまりやりすぎないようにね!」


 アリアは皆んなが暴れすぎないように釘を刺していたが、収まる様子がない。




 ところで・・・・・・・



 「世界三大美女って何?」


 「え⁉︎」


 「「「「「え⁉︎」」」」」


 俺がそう言った瞬間アリアが反応をした後に新月にいた全員がおんなじ反応をした。




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更新が遅くなってすみません。

たぶんこれからも遅くなると思いますが、読んでいただけたら嬉しいです。

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世界三大美女と行く俺の復讐物語! クロノス @takatosato

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