掃除
「シンジのお兄さん。
私が掃除してから勉強教わりに行くんでもう暫くしたら行くかもしれませんっ。
取り敢えず、シンジの部屋で問題解いて、どうしても分からなかった場合だけ、お部屋にお邪魔してもいいですか?」
「えっ」
兄貴のやつが眉間に皺を寄せると同時に俺と声をハモらせた。
さも、なんか、ヒナタの発言が気に入らなかったと言わんばかりに。
続けて言うことには。
「え、ヒナタちゃんの大好きなケーキ屋のケーキも買ってあるし、紅茶を淹れる準備もバッチリなんだけどな、、」
「掃除なんてさ、シンジにやらせときゃ
いいんだよ、、」
あー、どうもこの感じはヒナタ狙いですね。
兄貴はもう完全に。
争い事はごめんだった。
兄弟仲良く、してたいし。
「ヒナタ、俺のことはいいから、
兄貴のとこに行けよ」
そう言った時だった。
母さんが俺にお使いを頼んだんだ。
「シンジー。悪いんだけど、
買い物行って来てくれない?
お母さん、ちょっと熱っぽくて、しんどいの。
冷蔵庫のなか、ろくなものないから、
シンジの食べたいもの買って来てほしいんだけど、、」
「わかった。すぐ行く」
母さんの助け舟はありがたかった。
ちょっと気まずい空気感のなかを抜け出せるからだ。
だだっ、、と俺は階段を駆け降りた。
これで、ヒナタと兄貴をくっつけられる。
そう思った。
だけど。
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