11歳 2カ月 愉快犯のピエロにしてピエロの愉快犯


 2023年 5月〇日


 今日俺は愉快犯のピエロと出会った。


 何を言ってるか分からないかもしれないが、そのまんま、愉快犯のピエロに会ったのだ。


 その愉快犯のピエロと出会ったのは、学校からの帰り道、小篠ちゃんと歩いている時だった。


 道にピエロがいたのだ。


 何を言ってるのか分からないかもしれないが、そのまんまピエロがいたのだ。


 よくあるピエロと聞いた時に想像するまんまの赤と白と黄色と黒とでカラフルに埋め尽くされた無駄に派手な服を着て、顔には全体的に白色のメイクがなされていて、鼻は赤い球を作り、目元は黒の刺青のようなものが入っていて、髪型も爆発したような赤色の髪型を持ち、見れば見る程ピエロそのもの、ピエロですって激しすぎる程に自己主張してるピエロがいたのだ。

 因みに身長は165センチ程度と平均的であった。


 つか、そういえば前小篠さんと一緒に帰ってて誘拐犯もとい、股間を露出した変態と会ったことあるな。


 小篠さんと一緒に下校すると変態?に出会う呪いにでもかかってるんかね。もしそうだとしたら小篠さんはお祓いに行った方がええと思うわ。知らんけど。


 まあ、いいや、軽い冗談は置いといて、そのピエロは会ってそうそういきなり、何処からともなく大玉を取り出して上に乗り、ボウリングピンでジャグリングを始める。


 割と上手かったので、そのまま小篠さんと一緒に楽しく見物をしてしまう訳だ。


 そっから一人でパントマイムを始めたり、一輪車に乗ってぴょんぴょん、飛びだしたり、ボーリング球でジャグリングしだしたりするわけだ。


 中々に完成度が高く、ピエロの一連のパフォーマンスが終わった後に俺と小篠さんは大きく拍手をしていた。


 これで、終わればいきなりピエロの格好で芸を披露してくれた愉快な人で終わりだったのだが、いやまあそれでもアレだけど。こっからが驚きだ。


 ピエロがいきなり人間の頭部でジャグリングを始めたのだ。


 意味が分からないかもしれないが、俺もその時意味が分からなかった。


 本物か?と軽く疑いつつ、じっくりとその頭部を見て違和感を抱く。

 何だろうな?なんて思ってたら気が付くわけだ、あ、俺その顔に見覚えがあるやんって。

 どういうことかというと、ピエロがジャグリングしている頭部はかの犯罪組織【異上魔上】の日本支部のメンバーの頭部だったのだから。


 その時は精巧に出来た偽物かなんて思ったが、いきなり小篠さんが、啓示を授かったと言うわけだ、ピエロの持っている頭部は本物であり、世界で最も狂った愉快犯であると、今すぐにその場から逃げろってね。


 小篠さんからそんな言葉を聞いたんだ、一人だったらこの場でこのピエロを殺すなり捕まえるなりしても良かったが、今はか弱い小篠さんがいる状況、万が一にでも巻き込まれて小篠さんが死んだら俺は悔やんでも悔やみきれないと考えたので、慌てて逃げようとする訳だ。

 まあ、小篠さんの啓示も逃げろいってるしね。


 だけど見えない壁に阻まれた。


 ピエロの異能か?なんて思いつつ、見えない壁に向かって闇魔法・闇飛ばしを放ち破壊を試みる。


 結果は失敗。


 嘘だろおい、と思いつつ、もっと威力のある技を使うか思って魔力を練ったら、その魔力が消失した。

 まんま、消失したのだ。


 まるで最初から魔力がなかったかのようにね。


 じゃあと異空間を開こうとするが、その為に必要な僅から魔力すらも消失してしまう。


 何かしらの手段で魔法を使えなくさせられたって訳だ。


 まあ、あの時はかなり焦ったね。

 俺が軽く冷や汗を流していたら、今までずっと沈黙を貫き通していたピエロが口を開くわけだ。


「嗚呼、世界最強様に敢えて私は恐悦至極に存じます。といいましても、私はそこまで感激はしてませんが、それでも私はぁあああああ、気持ちよくなってますけどねぇ。どうぞお見知りおきをっとね。フフフハハハハハ」


 綺麗な礼と共に発せられた、男とも女ともとれる、無駄に甲高く頭に響くような声。


 そして俺は理解をする訳だ。


 嗚呼、コイツは愉快犯だなって。


 愉快犯、意味合いとしては世間を騒がせたりして、その反応を楽しむことを目的としてる犯罪者って意味だ。


 何故こう思ったかって言えば、まあ、脈絡のなさ過ぎる行動の意味の分からない発言、そして何より、現在は刑務所にて収監されて死刑を待つ身となっている【異上魔上】の連中を殺して頭部でジャグリングしてるって点だ。

 後はライトノベルを何千冊、何万冊と読み漁った俺の直感って奴だな。


 という訳でこのまま放置したら、後々不味いことになりそうな嫌な予感がしたんで、特訓に使用してる影分身を全部戻して影分身を新しく出してこの愉快犯のピエロを始末しようとするが、出来なかった。

 何が出来なかったて、影分身を操作することがだよ、おそらく異能も封じられたって訳だ。


 魔法と異能の2つが封印されて、大幅に弱体化した俺に足手まとい確定の小篠さん、それこそ絶体絶命の大ピンチと言っても過言じゃない状況追い込まれる訳だ。


 あれ?一応俺世界最強だよな。

 おかしいな。なんて馬鹿なことを考えながら愉快犯のピエロをじっと睨んで、対策を考えてた訳だ。


「あらまあ、そんなに睨まれたら、興奮するじゃぁぁぁぁなぁいですぅか」

 いきなり奇声を発された。


「へ。変態だ」

 気が付いたら呟いてた。


 だって、そうだろ、変態だろ。睨まれて気味の悪い声をあげながら興奮しだすって、変態以外に何者でもないだろ。


「あらまぁ、変態じゃなくて私はピエロですよ、それでいて愉快犯ですよ。愉快犯のピエロ、ピエロの愉快犯、そしてそこのお嬢さんと同じようにこの世界の真実を知る者の一人です。まあ、そんなことは今はどうでもいいですかね、私は世界最強である貴方に睨まれて最高に、そうもう本当に最高にぃぃぃぃ気持ち良くなれましたし家に帰りますよ」


 そのまま本当に帰っていた。


 割と真面目に何を言ってるか分からなかったし、世界の真実とかなんだよって思ったが、まあ一つ確かなのは家に帰ってことだな。


 こうして日記に書いて見ても思うがマジでアイツは何がしたかったのだろうかな?

 まあ、愉快犯に理由を求めちゃ駄目か。


 何となくまた会いそうだななんて馬鹿なことを思うが、それもまた一興って奴かな。知らんけど。

 俺の異能と魔法を封じられる程の力を持った化け物であり、愉快犯のピエロって自称してんだ。まあこのまま放置は良くないだろ。もしまた会う機会があれば、日本ひいては世界の平和の為に殺しとくよ。殺せたらねって話だけど。


 以上

 終わり。



――――――――――――――――



 補足説明

 ピエロの愉快犯であり愉快犯のピエロはまだまだこれから出ます。

 何なら作者が少し気に入ってます。


 

――――――――――――――――


 昔、それこそ私が中学3年生の頃に考えていた作品である、【生まれた瞬間禁忌確定】という作品をまた書き直して、投稿を始めました。

 取り敢えず現時点で5万文字程度上げてるので、読んでいただけると嬉しい限りです。割と面白いと思います。

 定期的に新作?を書きたくなってこの作品の投稿をサボる愚かなダークネスソルトではありますが、許してください。


 本当にごめんなさい。

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