第7話

ルナは俺の料理を褒めてくれた

まあ、俺も長年勇者生活していない

料理スキルだってお茶の子さいさいだ


「ふわあぁぁああ……」


ルナが大きなあくびをした

もう、あたりは真っ暗だし寝るにはちょうどいい時間だ


「そろそろ寝るとするか 夜になると何が起こるか分かったもんじゃないしな」

「そうね 早めに寝るのがいいわね」


俺はマジックボックスから寝袋を取り出した

これも王からもらったものだ

非常に役立っている


一方、ルナは一人小屋を建てていた

こ、小屋ああ!? こんな短時間でよく作れるもんだ

やっぱ、魔法って難しいわ


俺は寝袋、ルナは小屋でと他の人から見れば異様な光景だが仕方ない

ルナにも一人になりたい時間があるのだろう

そっとしておこう


ルナは苦悩していた

助けてくれたお礼にと魔王討伐のたびに同行することにしたが、もっと他のことをした方がよかったのではないのかと


また、あいつらが襲ってくるとも限らない

私はこんなところにいてもいいのだろうか


でも、勇者は今まで会った人たちとは明らかに違っていた

心のままに動いているというか、本能のままに生きているのか

そういう生き方もあるのか、と納得したルナだった


朝、目が覚めると俺の目の前には寝間着姿のルナがいた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る