火〇るの墓の試練、再びと創作談義

 Side シェリーナ


 なんちゅうもんを。


 なんちゅうもんを観せてくれたんじゃ。


 リーンも泣き崩れている。


 かつて日本で起きた戦争を題材にした物語。


 こんな事がこの一見穏やかそうな国で起きたと言うのか信じられない。


 と言うのもこの国は一時期覇権主義国家で様々な国に侵略戦争を仕掛けていたらしい。


 だが戦況は悪化し、こうして爆撃機によって町が焼き払われるのが珍しくなかったたようだ。


 まるで地獄その物だ。


 一般人の視点からなので余計にそう思えてしまう。


 そして思った。


 戦争なんてやるもんじゃないと。



 =星之家・リビング=


「観てしまったんだな、あの作品を」


 御門 マリアが慰めるように言う。


「うん。戦争への価値観が崩れ去った」


「私なんか罪悪感が湧いたわよ――」


 とジェーンが言った。

 彼女が言うには作品の舞台となった日本がああなったのは大体、自分の国の軍隊が物語の舞台である日本を焼き払ったからだそうだ。


「話題を唐突に変えますけど――この世界は芸術方面? に力を注いでいますよね」


 リーンがそう言う。

 確かにそうだ。

 この世界にも軍事兵器はあるし、世界のどこかでは紛争、戦争があるそうだが。

 

 この世界はそう言う文化的な方面に力を注いでいるようにも思える。

 特にジェーンやマリアはそう感じたようだ。


「マリアの世界はどうしてかは分からないけど、私の世界の場合は分かるわ」


「日本をアメリカとソ連で分割統治だったか?」


 ジェーンの言葉にマリアが答えた。


「そうそれが原因よ」


「世界が違えばそう言う世界もあると言う事だろう。気にするな」


「ありがとうマリア」


 マリアはジェーンにそう言う。


「お二人とも仲が良いんですね」


 二人を見てリーンが言った。


「まあ、なんだかんだで付き合い長いしね」


「そうだな――色んな作品を観て色々と一緒に遊んだりした仲だ」


 マリアの言葉にジェーンが締めに「そういうこと♪」と告げた。


 そう言う二人がとても羨ましく思えた。


 まるで仲の良い姉妹だ。



 話は更に変わり、この世界の創作物に出て来る兵器についてだ。


 創作物である筈の兵器についてだがデザインも発想も進み過ぎているように感じた。


「確かにそれは感じたわね。特にガンダ〇シリーズなんてまさにそう。アレ半世紀近くの歴史があるみたいじゃないの」


 ジェーンが何処か呆れたようにそう言い、


「そうだな、日本のリアルロボット物の金字塔と言って良い」


 マリアが補足するように言う。


「アレ半世紀も続いているのか!?」


 それに私は驚いた。

 リーンも「凄い歴史の長い作品なんですね」と同じく驚いていた。


「一口にガンダ〇と言っても、いわゆる宇宙世紀シリーズからアナザーシリーズまで色々とあるけどね。更にには宇宙世紀の平行世界設定の奴まであったりするらしいわ」


 続けてジェーンが解説する。

 

「アニメにそこまで情熱を傾けるとは凄い民族だな、日本人は」


 思わず私は口から漏らしていた。


「そうね。他にも色々とお勧めはあるわよ。例えば――」


 とジェーンがお勧めしてくる。


 そんな感じで私達は創作談義に華を咲かしていた。

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平行世界のメカ娘たちが集う街 MrR @mrr

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