おでかけです

 Side 星之 ツナギ

 

 シェリーナと付き人のリーンさんがこの世界に滞在する事になった。


 二人はジェーンさんはいわゆる軍隊学校的なところに通っているらしく、同年代ぐらいの女の子と比べると、とんでもなく規則正しい女の子でもう必要最低限の出来る範囲の家事をしてくれていた。


「改めて見るとやっぱり違う世界なんですな」


 朝早くからスポーツウェアでトレーニングを終えて一休憩中のシェリーナがそう言う。

 

 僕は「皆よく言います」と返した。


「他の世界の来訪者の事か? 会ってみたいな」


「今はちょっと忙しいみたいでここにいれば会えますよ」


 と、言っておいた。

 はたしてどうなることやら。


「そう言えば昨日見せてくれたてれびはボタンが沢山ついてましたけど?」


「ノートパソコンの事?」


「のーとぱそこん?」


 異世界の人間にノートパソコンとかそう言うのは分かり辛いだろうし説明が面倒なのでソウイチは適当に「また今度教えるよ」と言っておいた。


「しかしやる事をやり終えたし、どうしたものか。あまりゲームに熱中するのも悪い気がするし」


 心なしか我慢するような素振りでシェリーナは言った。


「でも皆ここに来る時は大体テレビとか映画とか、後はお出かけとかですかね」


「お出かけか……だがまだ店は閉まっているんだろう?」


「ですね~店が開くまでの間なら別に時間潰しでしてもいいと思いますけど」


「おお、すまないな」



 Side シェリーナ


 ゲームを終えてこの世界の服装に着替えてお出掛けをする。

 傍にはリーンも一緒だ。

 

 それにしてもこの世界の服は自分達の世界の服と比べると段違いに着心地がいいな。


 場所は近所の家電量販店なる場所。

 ここは田舎の方らしく、それにまだ朝早くなので人が少ないらしい。


 一階は服屋。

 

 二階は家電製品売り場。


 三階は玩具売り場。


 一階では服や靴の多さに圧倒され。


 二階では見た事もない道具に頭を捻らせた。 


 三階では――


「こ、これは――」

 

 私はプラモデルを手に取り、驚いた。

 この世界のマジックメイルにあたる兵器だろうか?

 それの玩具らしき物が大量に置かれていた。


「これ全部創作上の物だからね? 実在しないから?」


「え? そうなのか?」


「御門さんとかが勘違いしてたから、同じ勘違いするんだろうなと思って」


「そ、そうか」


 何だか恥ずかしいな……


「ではこの世界の兵器はどんなのなんだ?」


「それは――」


 そう言って案内してくれた。

 

「変わった外観だな?」


 傍にいたリーンも「そうですね。どう言う用途の兵器でしょうか」と、頭を捻らせていた。


「DVDとかで見れば分かり易いんだけどな」


「DVD?」


「確か御門さんやジェーンさんにも説明のために購入したのがあるから今度見せるよ」


「分かった」


 この世界の物は本当に珍しい物ばかりだ。 

 流石は異世界と言ったところか。

 収穫物も沢山手に入ったが、悪い事したな――出来れば私達の世界に招いて、お持て成しでもしようか……

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