13. 寄せ集め回
キャッチコピーをつけていく。こっちはまだ本編中から適当なところ抜き出すことでごまかしがきく。問題なのは紹介文の方で大概のものはそんなはっきりしたものがないからまじで困る。
なろう小説のコミカライズって完結までやるもんなんだろうか?
短いのはいいが長いのはほんとにクソ長い。あれを全部マンガにしようと思ったらめちゃくちゃな期間と巻数が必要になってくる。
というかラノベってなんであんなにクソ長いんだろうか?
枠を広げて小説全体で見てもクソ長い作品というのはあるにはある。近くの形式でマンガもクソ長くなることはある。キャラクターが主体になってるから長くつづけやすいとかそういうのが関係するのかもしれない。
金になる間は引き延ばしているという場合もあるだろう。でも無料で公開してる小説でもどうしようもないぐらい長いのがちらほらある。謎だ。
忘れなかったらまた考えたい。
クソ長いせいで結局最後まで読んでないラノベがある。
つまらなかったわけじゃないのに、完結まで間があいたせいで読まなくなったものも。完結したって風の噂で聞いても読み返すの面倒だしまあいいかなって気分で。
そういう人は案外いるんじゃないかと思う。でも復活して完結まで持ってく作品があるからにはちゃんと需要があるものなんだろう。
図書館で借りてきた本にしおりが挟んであった。
それ自体は別段珍しいことではないけれど、そのしおりは一面真っ黒でなんだか薄気味悪かった。
ちょうど飽きてきたところだったからその本を読むのはそこでやめておいた。
たまに里山にゆがんだ木があるが指さしてはいけない。
そういう木は大抵過去に五寸釘を打ち込まれているから。今も呪いを発散している可能性が高い。
うかつに近づくと巻き込まれる。
ふと気づくとカーテンのはしがふわふわ揺れていた。窓を開けたままだったかなと確認してみたがしっかり鍵まで閉めていた。
変なこともあるもんだなと思っていたらつんと魚の腐った匂いが鼻をつく。とりあえず窓を開けて空気を入れ換えておいた。
『植木鉢を頭にかぶった鉢郎の話』の時に言ってた話は『徒然草』の方で第五十三段。
とれたけどそのまま死にました、みたいなオチだったと思ってたけどそこは違った。
老人が中央分離帯に立っていた。危ないことをしているなと思ったが思うだけでそのまま通りすぎた。
数メートル歩いたところでなんとなく振り返ったが老人はもういなかった。
あれはいったいなんだったんだろうか? どうして何が気になってまた振り返るなんてことをしたんだろうか?
ニコニコ動画を見ていたら「すいひみにらな」ってコメントが流れてきた。どういう意味だかわかんなかったしそもそも意味なんてないのかもしれない。
別の動画を見ていたらまた「すいひみにらな」に出くわした。いずれもメジャーなものでなく再生数の少ないマイナーな動画だった。
その後もマイナーな動画に限ってそれを見つけることがある。余程気のあう人がいるもんだなと思う。
異世界園芸家。
例えば成果を上げた勇者とか一仕事終えた後の人が余生にのんびり園芸を楽しむ話。
幻の薬草が育ってどうこうみたいな、実利は一切絡まない。
「旅行記」「煙」「異次元」
異次元を旅行した記録を確かに読んだことがある。
どこでだったのか、多分学校の図書室だったと思う。遠くに焼却炉の煙がほっそり上がっていたような記憶がある。そんな時代の話。
内容は――難解でよくわからなかった。けれども27次元人は友好的な存在でそれだけ覚えている。
「雲」「庭」「氷河」
庭に雲が落ちていた。
霧や靄ではなしにそれは確かに雲だった。なぜならそれに乗ることができたから。ふわふわしてとても座り心地がよかった。
そのまま風に運ばれて空から氷河を眺めた。けれどもその氷河はぼろぼろになった図鑑の写真ととてもよく似ていた。
「山刀」「欠損」「城」
山のてっぺんには城があって、城のてっぺんには一本の山刀が突き刺さっているという。
左腕のない侍(名前は伝わっていない)が19次元からやってきた3本脚の怪物とそこで戦い果てた。怪物は山刀によって封印されたとも言われている。
その山城自体が管理もされずに放棄されて久しいから、何がどうなっているのか色々とはっきりしない部分が多い話である。
なんだか寄せ集めの回でこれはこれでくたびれた。
あるいはくたびれているからこんな寄せ集めができあがったのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます