マゼンコバトル

@nenonezumi

第一話 「気が見える?」

「おつかれ様でしたー!」とバイト終わりに職員に挨拶をする。今年の4月に高校3年生となり、バイトを始めた。給料はそこそこ良いのでそこで働かせてもらっている。だけど、部活は入ってないので、刺激的な事があまり無い。だから、少し退屈している。何か刺激がほしい。


(なんか俺に特殊能力があったりしたら面白いんだけどな......)


そう思いながら、俺は出口と書かれた鉄扉を開けて外に出ると、いきなり、白い煙の様な丸い弾が俺に向かって飛んできた。しかもとんでもない速さで、


「うぉわっ!?」


俺は危険な予感がしたので、咄嗟に避けた。そして、その白い弾は後ろの鉄扉に当たった瞬間「ゴンっ!!」という音が鳴り響き、その当たった所をよく見ると、硬い鉄製に5センチ程の窪みが出来ていた。


そして、その弾が飛んで来た方向を見ると、学生服を着た緑髪の女の子が居た。その女の子は俺の所に近づいて来た。


「なっ!?なになに!?」


俺はたじろぎ、鉄扉にもたれると、女の子は壁ドンする様な勢いで距離を詰めると、俺に向かってこう言った。


「あなた、そんな所でバイトしてたのね...!?下藤かとう......!丁度良いわ!あなたに言いたい事があるの!!去年は負けたけど、今年は絶対に勝ってやるんだから、一年前までの私とは思わない事ね!!」


「いやぁ......あのっ......下藤かとうって言ってますけど、俺の名前は武蔵たけくらで人違いですので、早く離れて下さい」


「えっ!?ちっ......違うの!?」


主人公がそう言うと、女の子は主人公から咄嗟に離れて、恥ずかしかったのか、赤面した表情になる。


「ごっごめん......!夜だから、暗くてよく見えなかった。髪が白くて凄く似てたから」


「うん......それは良いんだけどさ、今さっきのは何?」

と話題を変えて、武蔵は白い弾の正体を突き止める。


「ん......?さっきのって言うのは......もしかして気の事?」


「うん、多分それの事、あの白い弾が何なのか凄く気になるんだけど......」

と言うと、彼女は笑みを浮かべた。


「もしかして君......気が見えるの?」


「え?うん、はっきり見えてたけど......」


そう言うと、彼女は更に笑みを浮かべる。


「武蔵君って万理高校の生徒だよね?」


「うん」


そう答えると、彼女はもう嬉しさを全面に出してしまっていた。


「あなた超有能ね......!!なんで帰宅部なのって位!!」


「はぁ......それはどうも」


「そんな有能なあなたに一つ頼みがあるんだけど、''異能格闘部''に入らない?人員が少なくて困ってたんだよね......」


「えっ......入れるの!?異能格闘部!!」


「うん、気が見えるのは異能を使える事の条件の一つだから」


(入ってくれるかな〜?できれば入って欲しいな〜。でも、急に入れって言われたら流石に無理かな〜)


少し不安げな表情になりながらも、何かを期待している様な顔でこちらを見て、返事を伺う彼女に、俺は即答で答えた。


「それなら、もちろん入るに決まってる!その部活に入れば異能が使える様になるんだよ

ね!?」


「ま、まぁね!!」


(良かった......!!予想以上に食いついてくれた!これで人員は増える......!ただ習得するのが凄く難しいんだよね......私だって異能を習得するまで2年かかったし......)


「それじゃあ決まりだね!明日、入部届け出して行くから、その前に異能格闘部の一員として名前を教えて欲しい!」


「分かったわ。私の名前は風道ふうどう れん、よろしくね!」


「風道さん!こちらこそよろしく!」

と言い合って、手を交わした。こうして、俺は異能格闘技というものに出会った。


そして、俺はこの異能格闘技で成り上がっていく。

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