神様が三つ願いを叶えてくれると言うので一つを私のことを思ってくれる人と出会いたいと言ったけど普通男の人だと思わない!?〜百合ハーレムはお断り〜

シャルねる

どうしてこうなった?

 おかしい、どう考えてもおかしい。

 どうしてこうなった。

 可愛い笑顔で私に抱きついてくるエルフの見た目15歳ぐらいの女の子。

 見た目は白い髪に耳が尖っている。

 いや、私も年齢15歳なのを考えれば微笑ましい感じに見えるのかもしれない。

 ただこの女の子が私と結婚しようとしていると考えると色々と変わってくる。

 神様もなんでこんな所に私を転移させるのよ......。


 少し前に遡る。


「......あなたは?」

「一応世界を管理している者です。あなた方の感覚で言うなれば神ですね」

「そうですか」

「驚かないんですか?」

「私は死んだと思うので、なんとなくそうかなって」


 あの状況で生きているとは考えられない。となれば神か女神とかだよね。普通。ここが地獄とかじゃない限り。


「それでしたら話が早いですね。単刀直入に申しますと貴方を異世界に転移させます」

「転移? 転生とかじゃないの?」

「貴方がまた赤ちゃんからやり直したいと言うのならば転生でも構いません」

「転移でお願いします」


 流石に赤ちゃんからはちょっとというかかなり恥ずかしい。


「転移ボーナスで三つだけなら貴方の望みを叶えて差し上げます」


 ドラゴン○ールとか集めてないけどいいのかな?


「じゃあ基礎ステータスを底上げしてください。私の体をムキムキとかそういうのにはしないで強くしてください」


 うん。大事だよね、死にたくないし。

 でもムキムキにはなりたくないからちゃんと言っておかないとね。

 レベル上げとかを楽しみたい気持ちもあるけどこれから行くのはゲームじゃなくて現実なんだから弱い状態では行きたくない。


「分かりました」

「もう一つはマッピング機能とか欲しいですね、そのマップに赤い点とか青い点で敵とかで味方の位置も分かるようにして欲しいです。ワープポイントとかも出来ればお願いします」


 せっかくの異世界なんだから楽しめる機能がないとね。

 最後のはダメ元だ。

 オープンワールドのゲームとかだとワープ機能があって便利だから言ってみただけだ。


「分かりました」


 いいんだ......。


「最後は......私のことを思ってくれる人と出会いたいです」

「分かりました。では転移させますね」

「あ、ありがーー」


 私は言い切る前に転移させられてしまう。


 そして私は川の上に転移する。

 ザバーンと音を立て川に落ちる。

 

「ぷはっ、え? 川? なんで?」


 思いのほか浅くて助かった。

 いや、神様も深かったら転移なんてしてない......はず。

 取り敢えず近くを見渡すと裸の耳が尖った女の子がいた。

 顔が真っ赤だ。

 恥ずかしいのかな?

 声をかけようとすると、


「け、結婚してください!」


 え? 結婚って言った? 聞き間違いかな? 結婚じゃなくて決闘かな?


「ごめん、今なんて?」

「結婚してください!」

「......なんで? 出会ったばかりだよね?」


 これを出会いと言っていいかは分からないけど。


「取り敢えず落ち着いて服着ようか」

「はい」


 このままじゃ私も風邪をひいちゃうから取り敢えず川から出る。

 女の子は体を拭いてから、木の枝を集めて指先に火を付け枝に火を灯す。


「な、なにそれ!」

「え? 魔法ですよ?」


 魔法! 魔法がある世界なんだ......あの神様にもっと聞いとけば良かったかも。

 だいぶ温まってきた。


「あ、私ルーファっていいます」

「そう、私は......ユアよ」


 ゲームの名前だけど。

 今はそんなことどうでもいいよね。


「それで結婚って?」

「はい、私の村では裸を見られたらその見た人と結婚をする掟がありまして」


 何その掟!? そういうのは男の人が対象じゃないの!? 


「あ、赤ちゃんの時とかは?」

「生まれた時は大丈夫です、あと身内も」

「わ、私女の子だよ?」

「それでもです!」

「そんな掟があるならなんであんな所で裸になってたの?」


 私悪くないよね? あんなところで裸になってたら見られる可能性あるよね? 気をつけてないルーファが悪いよね?


「水浴びです。それにエルフは周りの気配に敏感なんです。でもユアさんはいきなり現れたから......」

「で、でも私の気持ちとかは......」

「大丈夫です、私頑張ってアプローチします!」

「そ、そもそもルーファはどうなの? 私なんかとじゃ嫌でしょ? だから無かったことにしようよ」

「掟を破る事は出来ません。それにユアさんは可愛いですし......私、好きです」


 そういい私に抱きついてくるルーファ。

 どうやら掟は絶対らしい。私の事が可愛いなんてありえない。

 すごい笑顔だ。不覚にも可愛いと思ってしまった。

 でもそれは恋愛感情じゃない。


 おかしい、どう考えてもおかしい。

 どうしてこうなった。

 

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