第3話

 ソイツと僕は学校を辞めた。プロミュージシャンになるために。


 ソイツと僕は、路上ライブをそれから始める。

 最初は誰も足を止めてくれる人はいなかった。

 だが、根気よく続けていると、1週間後に、ちらほら足を停めてくれる方々が現れ始める。

 1ヶ月経つと、いつも聴いてくれる方々がいるのが分かった。

 半年後、もう人だかりが出来るほど、足を止めて聴いてくれる方々がいた。

 その時、スカウトされる。プロミュージシャンにならないかと。


 それから半年後、ソイツと僕はライブハウスでデビューする。

 ライブハウスいっぱいに人が集まった。

 デビューは大成功だ。


 そこから、凄い勢いで話が進み、テレビ出演の話がまとまった。

 順番はトップバッターだった。

 それにしては不思議と緊張感はなく、 高揚を感じた。

 名前を呼ばれ、キーボードの前に座る。

 僕は前奏を奏で始める。

 ソイツが足でリズムを取りながら、歌い出す。

 やがて、曲のラストに近付くと、背中にソイツの重さを感じながら、力強く、後奏を弾き終える。 

 暗転。

 盛大な拍手でテレビデビューを終えたのだった。


終わり リンクIIに続く

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リンクⅠ 浅貴るお @ruo

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