第17話 さらにをキレイに(学校では教えない事)

 出来た! と喜んでいるひなに、みちのは注意をしたのです。


「まだ直す所はあるわ。ほら、表面がブツブツしていない?」


 よく見ると、確かにツルツルではありません。


「どこが悪いのかしら。あっ、分かった。ひなちゃん、どこだか分かるかな?」


 ひなは、よ〜くみました。でもおかしな所は見つかりません。


「分からないかな? 分からないよね。これは仕方ないのよね」


 みちのが「ふふふ」と笑いながら、ひなに教えたのは、ひなにとっては驚くべきことでした。


「あのね、括弧の最後に丸『。』は付けないの」


 えっ!とひなは思わずにいられません。だって学校では、「……です。」と書くように言われて来たのですから。


「なんで!」

「なんでかは分からないけど、そういうルールなの。昔からそうなのよ。ほら、有名な文豪の小説も、流行りの小説もそうなっているでしょ」


 みちのは、出版されている紙の本をいくつかひなに見せました。


「本当だ。丸がない。気がつかなかった」


「そうなのよ。言われないと気付かない不思議なルール。そういったことがたくさんあるの。だから、創作論は大事なのよ。私の創作論は素人のWEB小説限定だけど、まずは基本を押さえましょう。上手くなったら他の、特にプロが書いた創作論を読んで勉強してね」


 みちのはそう言うと、ひなに括弧前の丸をていねいに消すように言いました。


「すごくキレイになった。ありがとうみちのさん」


 ひなはそう言ったのですが、みちののダメ出しはまだ続きます。

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