第13話 創作論って?(勉強大事)

「じゃ、また会おうね」


 みちのが手を振って帰ろうとするのをひなは引き止めた。


「待ってください! 相談してもいいですか!」


 ひなは必死だ。プレビューのりんご飴をみちのに見せた。


「私の作品、これなんです。売りに出したらだめですよね」


「あ〜〜。ダメだね、これは……」


 みちのは、いい所を探してほめようと頑張りましたが、いい所が見つかりませんでした。


「みちのさんみたいなステキなお話を作りたいんです。どうしたらいいんですか?」


「私みたいな? あ〜でも、私も新人だしね」

「えっ!」

「まだ、ここに来てひと月半くらいよ。全然新人!」


「うそ……」

「嘘じゃないわ。ずっと読み専だったのよ。みんなの見てたら書けそうな気がして書いてみたの。いや〜、書けるもんだよね」


 ひなはショックを受けました。同じ新人でこんなにも違うの!


「なんでみちのさんは、新人なのにこんなに書けるの?」


「そうねぇ、たくさん読んできたからじゃない?」


「えっ?」


「読みながらね、ここ読み悪いなとか、この言い回し好きとか、いろいろ考えてたの。テンポの良さとか悪さとか。展開の不自然さとか。そういうのが勉強になったのかもね」


「勉強?」


「そうよ。小説を書くのにもルールがあるのよ。『創作論』読んだらいいわ。私も書いてるのよ、創作論。よかったら読んでみて」


 ひなは、小説にルールがあるなんて知りませんでした。


「読んでも分からなかったら連絡いれてね。じゃあね〜」


 そう言って、みちのは去って行きました。


「モコりん、行くよ。創作論を読みに!」


 モコりんは、創作論カテにひなを連れて行きました。

 

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