第3章 短編を書いてみよう!

第9話 初めての作品?(プレビューで確認)

 朝食を終え、家に帰ったひなにモコりんは言いました。


「じゃあ、パソコンとスマホ、どっちも使えるようになろう」

「なんでタブレットじゃないの?」


 ひなは不思議でした。タブレットだったら小学校の時から授業で使っていたから。スマホは、入学祝いで、ゴールデンウイークに貰える予定だったので使ったことがなかったのです。


「タブレットか〜。だったらスマホでいいんじゃない?画面小さいだけだし」


 モコりんはそう言いました。でもパソコンを指さして


「でも、パソコンも使えると楽だよ。ウィンド開いて検索しながら書けたり、コピペとか楽だしね。たまに練習したほうがいいよ」


と、パソコンの良さも語り始めました。


 毎日、パソコンの練習をモコりんとする約束をして、ひなは小説を書こうとしました。


「ひな、いきなり書くの?」

「だめなの?」

「そういう人もいるからいいか」


 モコりんが、意味ありげな感じで言いました。



 ひなは1000字くらいの短い童話を書きました。


「書けた。書けたよ! 私の初めての童話」


 ひなは、スマホを抱きかかえながら大きな声で喜びました。


「モコりん! わたし書いたよ! 初めての童話!」


 モコりんは、その姿をほほえましく見ていましたが、とうとうひなに、残酷な一言を伝えました。


「じゃあひな、そこにプレビューってボタンあるから、そこを押してみて」


 ひながプレビューを押すと、りんご飴が出てきました。


 つぶれて色がくすんでる、とても食べ物とは思えないりんご飴が……。


「なに……これ……」

「これが君の作品だよ。ひな」

「いや……。いやだよ」

「落ち着いて、ひな。疲れただろ」


 落ち込んで黙っているひなに、モコりんは優しくいいました。


「お腹すいてるはずだよ。あんなに頑張ったんだ。休憩して何か食べに行こうよ」


 そう言って、ひなを外に連れ出しました。



 朝とは違う、さびしい道を目指して……。

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