海は愛のゆりかご

本作を読む前に外伝である「うつろな夜に」を読んでしまったが、結論から言えば何も問題はなかった。
むしろ順番に読まなかったが故に、本作の登場人物が何を考え、行動したのかがわかったため共感し易かった。

種族を超えた出会いは結果としては……本作のタイトルが物語っている。
生命の起こりである海は、そこで生きとし生けるもの全てを無情にも食らう。

本作はそんな無情さの中で少女と人魚が出会う話が描かれている。
その刹那にも人々の営みは美しく楽しく、そして悲しくも送られているのだ。

さぁ、安寧の海に揺蕩いにいこうではないか。きっと素敵な出会いが待っている。