複雑性PTSDを治す方法 ~EMDRによせて~ ・適応障害・双極性障害・発達障害の当事者として

詩歩子

EMDR(最先端のトラウマ治療)

第1話 治らない病気はない


 複雑性PTSDも解離性障害も必ず治る。『鬼滅の刃』の登場人物である珠世さんが言うように、この世界には治らない病気はない。




 私は現在、アメリカで研究された、最先端のトラウマ治療である『EMDR』を受診している。




 EMDRとは眼球運動を駆使し、専門的な知識を持った医者(精神科医とは限らない)の指示によって凝り固まった、トラウマを脳内で平坦にし、固定化した記憶をなだらかにするというもの。




 新型コロナウイルスが流行した2020年、私は現在の主治医の勧めでセカンドオピニオンであるEMDRを受診することのしたのだ。




 私には解離性障害と複雑性PTSDがある。


 その症状のため、十五歳から十八歳にかけて、その月日のほとんどを閉鎖病棟で過ごした。


 生まれつき、私には高機能広汎性発達障害があり、解離性障害や複雑性PTSDもその二次障害だった。




 解離性障害と複雑性PTSDの発症の直接的なきっかけは、高機能広汎性発達障害への偏見とネットや書籍による、誹謗中傷が主要な原因だった。




 高機能広汎性発達障害の診断が降りた直後、卒業式の当日、みんなの前で、学校の先生から「発達障害は少年犯罪の加害者に多いからお前は危険」と言われ、十二歳の私の心は大きく引き裂かれたためだ。




 複雑性PTSDや解離性障害は、急速な社会変化による、コロナ禍の現在、誰もが罹患する可能性がある。




 特にSNSでのコミュニケーションが欠かせなくなった今、ネット上の誹謗中傷だけでなく、家族間や友人関係での断絶や諍いなどによる、言葉からの心の傷が大きく影響を与えるか、私の体験や人生観からも訴えたい。




 発達障害への、謂れのない誹謗中傷やヘイトスピーチで、10代の私はたくさん傷ついてきた。




 思春期になると、悪意に満ちた発達障害の本、少年犯罪の関連書やネット上の誹謗中傷を確認しないと、気が済まないようになり、心身に大きな変調をきたした、私は重大なトラウマを抱えることとなった。




 解離性障害を十四歳で発症してから、記憶が抜け落ちている個所も多くある。




 高校も進学校に在籍していたものの、邪険に扱われ、転科も含めて五回も変えさせられ、高校中退を余儀なくされた。


 夢だった大学進学も嵩張る入院費で諦め、二十代前半も自宅療養が中心だった。


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