第5話 とんでもない雑魚臭だ。
「ぶふっ。え、ええ。そうですね。彼ら『四色の聖騎士』について説明がまだでした。」
噴き出し神父は口元を押さえながら説明を始める。
「『
タタラガさんは黒、カタラナさんは青、後は白と赤の2色がございます。色が分かれているのは役割を明確に分けるためですね。
例えば、『青の聖騎士』は教会を支えてくださる貴族の守護や儀式の際に働いていただいています。
『黒の聖騎士』は異端者や協会に仇なす者の捕縛を。
『赤の聖騎士』は魔獣の討伐を。
『白の聖騎士』は無辜の民を守る者たち。他には医療行為もおこなっています。
まあ、そんなところですね。」
ほーん。わからんがわかった。
ちらりと聖騎士2人を見てみる。どうやら、私の猿叫に興が削がれたのか大人しく座っている。よかったよかった。私の恥が致命傷を負っただけですんだみたいだ。もう二度とやらん。
「あのー。じゃあなんで2人はここに?」
ついでに聞いてみる。私は貴族でもなければ異端者でもないよ?すると、説明神父が再び説明してくれた。
「それはですね。『青の聖騎士』団長と『黒の聖騎士』団長のお二人は十二司教の方が務めてまして。ええ、はっきり言うと権力で推薦した感じですね。ええ。それはもう、聖女様に恩売るぜ!って感じで」
それ言っていいの?私は聖騎士2人に視線を送る。あ、目を背けた。そんなこんなでぽつりぽつりと雑談をしていると、突如ガタンと馬車が止まる。私は席から滑り落ち、強かにケツを打ち付ける。
「おわー!ケツが死んだぁ!」
「品が無いなぁ…」
うるさい!カタラナさんが私をジト目で見てきた。いたた、なんで馬車止まっちゃったかな?お尻割れてない?大丈夫?
痛む尻をさすりながら、窓を開けようとする私。しかし、その手をタタラガが止める。そして、聖騎士2人は視線を交わし合い頷いた。
「こりゃあ襲われたな」
「どうやらその様だ。魔物かはたまた…」
その時、馬車の外から大きな声が響いた。
「ひゃっほー!山賊様のおでましだす!オラたちヤンバー山賊団に全部差し出す!」
とんでもない雑魚臭だ。
めっちゃ太ってそうな、の太い声が馬車まで響く。
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