罪と罰が刻まれた無垢な魂に、救いの時は訪れるか

罪人の印を額に刻まれた少年ハオ。天涯孤独な彼の前に現れたのは、教皇庁から派遣された審問官である司祭とその助手でした。この出会いから、ハオの悲しい生い立ちと、秘密を隠ぺいする村人の罪が解き明かされていきます。
舞台となる世界観がとても分かりやすく、主人公のハオをはじめ、登場人物の個性がよく伝わってきます。
また、正反対のキャラクターである二人の推しメンがとても魅力的で、圧倒的な場面と心に訴える場面、両方で魅せてくれます。
なぜハオは罪と罰を着せられねばならなかったのか。理不尽な世界で生きてきた彼に救いの時は訪れるのか。
読みやすいサイズながら凝縮された物語と、緩急のある文章。
最後はぐっときて、何とも言えない余韻が残りました。お勧めです。

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