第2話 いざ実食

「先輩ここです」

部下の家には初めて来た。以外と広いんだな。いつも頭のおかしいことを言っているが、少しだけ見直した。ほんの少しだけだけどな。


「ああ先輩来た」

「食材持ってきました?」

「え?ああ持ってきた」

私はキュウリを持ってきた。鍋にキュウリを入れる人なんてほとんどいないだろう。私は部下にこっそりと見せた。

「え、先輩キュウリなんすか?」

「そうだけど、なんか?」

「いや、ちょっと地味だなぁ…って。もっとふざけたもの持ってきていいんですよ?」

「でもキュウリなんて鍋に入れないだろ」

「そういう問題じゃないんですよ」

部下が言うには、どうやら奇抜なものを持ってこいとのことだ。

「とりあえず今はキュウリしかないのだが…」

「しょうがないですよ。とりあえず早くやりましょ」

皆んなは1人1つずつ、鍋に見えないように食材を入れた。

「皆さん入れましたね?では電気を消しましょうか」

部下が電気を消し、皆んな椅子に座ると、箸を持ったのだろうか?カチャカチャと音を鳴らした。

「なぁ…取ったやつは戻さないほうがいいのか?」

「はい」

そんな気はした…。ゴクリと唾を飲み込み、いざ実食だ…。とりあえず落ち着こう。リラックスだ…。

「では先に先輩からどうぞ」

「あ、ああ。いや、皆んなからどうぞ?⤴︎」

「イントネーションへんですよwww。じゃあ僕から取りますね」

部下は何かを取った。そして食べた。音でわかる。絶対とんでもねぇやつだと。

咀嚼音そしゃくおんはヌチャヌチャしていた。

「あ、甘い」

「は??????」

思わず声を出してしまった!!!しかし甘い???いや、なんとなく予想できた。が、あまり想像したくない!!!!!!

「次は静香しずかさんですね」

「うん」

静香はカリッと咀嚼音を出した。おそらくだが、それは私のキュウリだ。おそらく固い食べ物はこの中には入ってない。

「次はえびちゃんね」

「任せとけ!!!!!!!!!!!!」

うるさい後輩えびちゃん(蛯原えびはら)も箸で具材を取る。しかし、ちょっと様子がおかしい。

「あれ?落としちゃった。じゃあもう一度取るか」

ここまではよかった。問題はここから。

「あれ?なんか動いてる??????」

「は????????????????????????????????????」

動いてる??????突然頭の中が真っ白に。動いてる?動いてるの???え、まだ生きてるの入れてるの??????

ちなみに咀嚼音は、カリカリしていて、フライのようだった。……絶対あれだ。

「次は先輩ですよwww」

「えぇ?もう?いやだよ!!!!!!」

「もうここまでいたんですから。早く!」

うーん、見えてるのならまだしも、見えないのだから、いや、見えてないほうがいいのか?一気に手汗が出てきて、箸を濡らした。

「早く!!!!!!」

「わかったわかった」

頼む!!!!!!キュウリを取ってくれ!!!!!!

祈りながらを口の中へ入れる。

「……⁉︎柔らかい!甘い⁉︎ブトウの味?」

しかし、どこかで食べたことのある感じ。不思議な食感だ。

「全員食べましたね?それでは電気をつけますよ〜」

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闇鍋を食レポするだけの話 まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko

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