第5話 シャッフルバンド?!

質問攻めが終わり、皆眠りにつく頃、男子部屋に行ってて質問攻めに参加していなかった真理亜ちゃんからこう言われた。


真「まいちゃん、まいちゃんって好きな子いるの?」


『…いないよ?真理亜ちゃんは?』


また嘘をついてしまった


真「私ね、誠ちゃんのことが好きなの」


『…』


真「…ごめんね!変なこと話して!おやすみ!」


寝れるわけが無い。


中学から3年間ずっと一緒にいた真理亜ちゃんと小学校の時週に2回の塾でしか会ってなかった私。しかも1年だけ。


勝ち目が無さすぎる。


そんな事考えてたら翌朝になっていた。


由「まい?眠そうだね」


『昨日結局寝れなかったんだよね…』


佳「またなんかあったの?」


『ううん!なんでもないよ!体操行こ!』


由佳雫(((白々しすぎる…)))


体操をし、朝食を食べた後、今日の予定を先生から伝えられた。


先「今日からバンド練習と並行してシャッフルバンドの練習もしてもらう。シャッフルバンドは4日目に発表してもらうからな!」


シャッフルバンド?!


そしてシャッフルバンドを決めるためのくじを引く。


先「1番ここで2番扉側に集合」


えっと…私は1番か。


え?!


齋藤くんと西田くん?!そして佳奈?!


凄い振り分けだなぁ…。


先「じゃあ今日はこのバンドで曲決めて練習な!」


西「なんの曲にしようか」


齋「んー…」


齋「『あ!』」


齋藤くんの声と重なった。


齋「ごめん!澤田さん先にどうぞ」


『齋藤くん先に言っていいよ?』


西「よし!何がいいか同時に言おう!せーの」


同時?!


齋「『SEKAI NO OWARIさんのスターライトパレードはどうかな?(どう?)』」


おー!!重なった!


西田くんは唖然。


佳奈はなんかニヤついてる。


不敵な笑みだぞ…。


西「ちなみになんでスターライトパレードがいいって思ったの?」


齋「なんでか分からないけど澤田さんは星に導かれてるって思うんだ。だから星系統の曲がいいと思う」


『私も何故かは分からないけどこのバンドは星系の曲が似合うんじゃないかって』


6年前、齋藤くんと星を見て語り合った夢。


私達のキーポイントは星。


そう思うんだ。









西田side


齋「俺さ、大人になったら星空の下で澤田さんにプロポーズしたいんだ」


塾を辞める前に誠ちゃんが言った言葉。


あの時は澤田のこと覚えてたのに塾を辞めさせられたショックで誠ちゃんは記憶喪失した。


でも誠ちゃんが記憶を取り戻すきっかけになるのは実は星なのかもしれない。


まさかあの時のことがきっかけになるとはな…。








5年前


佐「西田…あの二人付き合ってんの?」


西「そんな話聞いてないけど…手繋いでるね」


塾の入口を出てすぐの歩道で手を繋いで星を見ている2人。


誠ちゃんと澤田だった。


最近仲良いなとは思ってたけどまさか付き合ってるのかな…。


翌日俺は帰り道に誠ちゃんに聞いた。


西「誠ちゃん、お前澤田と…」


誠「付き合ってないよw」


西「じゃあ昨日のあれは…」


誠「見てたんだ。あの星さ、澤田さんみたいだなって。キラキラしてて俺の中で一番輝いて見えるんだ。澤田さん見たら胸がドキドキして他の人と仲良くしてる奴見てたら苦しくなる。俺、澤田のことが好きみたいだ」







現在

誠ちゃんがもし、この合宿で記憶を取り戻してくれたら誠ちゃんもう一度澤田に告白するのかな…。


佳「西田さんちょっと…」


五十嵐高校の佳奈さんに呼ばれた。


佳「あの二人どう思います?」


西「どうって…」


佳「もし齋藤くんが記憶を取り戻したらあの二人付き合うと思います?」


西「誠ちゃんは澤田のことが好きだから後は澤田次第…」


佳「まいは齋藤くんのこと好きですよ。彼女言ってました。齋藤くんが塾から消えてからずっと齋藤くんのこと引きづってるって」


西「じゃあ付き合うのかな…」


佳「この合宿ミソになりそうですね」


『佳奈ー西田ーやるよー!!』


佳「はーい!」


西「今行くー!!」


このふたりの恋、見守らないといけないな。






齋藤side


『Welcome to the Starlight Parade 星が降る眠れない夜に もう一度連れて行ってあの世界へ』


きれいな歌声…。


ものすごく弾きやすいし、惹かれる歌声…。


まるであの時みたいな…。


『僕はスコーピオ スコーピオの針を担う星を探してる』


あれ歌ってた人誰だっけ…


西「誠ちゃん!誠ちゃん!」


誠「あっ…ごめん…」


気づいたら僕はミスを連発していた。


西「誠ちゃんがこうなるの珍しいな…」


佳「誠斗くんも疲れてるんだよ」


『もう1回通そ!』


その様子を影から見てる人物に私は気づけなかったんだ。


?「私の誠ちゃんなのに…」


そしてその日の晩。


星に向かってスターライトパレードの練習をしてた。


あの星を見たのはちょうどこのくらいの時期だったっけ。


空を見上げたら夏の大三角形が輝いている。


私にとって出会いと別れを示すシリウス、プロキオン、ベテルギウス。


距離を縮めて再会を示すデネブ、アンタレス、ベガ。


星は本当に私達を導いてくれる。


そう思うんだ。


?「まい」


『なんだ佳奈か』


佳「齋藤くんじゃなくて悪かったわね」


ベンチの隣に佳奈が座る。


佳「2日目終わっちゃったね」


『うん…』


佳「まいが齋藤くんを追えるのもあと3日かー」


『どういう意味よ』


佳「まあ肝は齋藤くんの記憶が戻るかどうかかなぁ…」


佳(まあ真理亜ちゃんもなんだけどあの子の本性やばいから言わないでおこう…)


佳奈と共に2日目の夜はふけていきました。









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~Let's sing!~音と星が運んでくれた奇跡の物語 @Gippuru

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