第2話 プロローグ2

この物語はフィクションです。

実在の人物や団体などとは一切、全く関係ありません。


本稿中にご不快になられる表現がございましたら、お詫び申し上げます。


本作に登場する兵器達の写真を近況ノートに貼って起きます。

宜しかったら覗いて見て下さい。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 日本国特殊作戦群ケルベロス小隊 小隊長 八神 大地やがみ だいち中尉。


 それが俺だ。


 国防陸軍は202x年に勃発した第二次東亜戦争、別名一週間戦争の敗戦後に自衛隊から改編された日本国国防軍の陸上組織である。


 我が国はあの不名誉な戦争によって、九州以南の西南諸島をC国に占領され、領土と誇りを奪われた。


 たった一週間の戦争で、南西諸島に住んでいた一般市民数万人がC国軍によって虐殺され、その後の占領政策に於いて、それの何倍もの日本人がC国本土に強制連行され「」の名目で「」されていた。

 もしくは、ウイグル人と同様、もっと凄惨な運命に・・・。


 だが、その突然突きつけられた残酷な現実によって、否応なしに日本国政府と国民は目を覚まされた。

 サイレントマジョリティが主張するマジョリティになったとも言える。


 その後、日本国国防軍は同盟国アメリカ合衆国と共に、多くの血の代償を支払って馬毛島を奪還した。

 そして沖縄本島奪還作戦に先立つ楔として、ここ八重山諸島奪還作戦、オペレーション「サウザンド・タイフーン」が発動された。



◇203x年9月21日03:45 

琉球自治区八重山郡某所 C国基地内


 ケルベロスチームとNAVY SEALアルファーチームは、基地内の建物から飛び出してくるC国軍兵士を処理しながら、目標の建物に向かって二方向から進んで行った。


 我々のIVASゴーグルにはリアルタイムで、この戦場に投入された数百の”電子の目”で捕らえられた戦術情報が表示されている。


 「”アルファーリーダー。西側兵舎の裏から、一般車両3台に分乗した敵武装勢力がそちらに向かっている。3分後に会敵。”」


 最新鋭空母、CVN-80 USS Enterpriseに設けられた指揮所で作戦指揮を取っている“ビッグフット”マクナガン少佐のダミ声がそう告げた。


 同時にIVASゴーグルのHUDに、3つの敵性車輛のアイコンが加わった。


 「”アルファー1、ラジャー。アルファー3。6と9を連れて対処しろ。

 アルファー10。スイッチブレード300+の使用を許可する。敵車輛がこの通りに出てきたら破壊しろ。”」


 ケルベロスチームは敵車輛の排除をアルファーチームに任せて、作戦目標の建物に取り付いた。


 ケルベロス2のスマートドッグが建物入り口ドアの陰に潜む人型の熱源二つを捕らえ、その情報が瞬時に全小隊のIVASゴーグルに表示された。


 「ケルベロス4。40mmグレネード。」


 俺の命令にすかさず塚本曹長ケルベロス4がドアの正面でM5の銃身下部に取り付けたM320 グレネードランチャーを構え、そのガングリップのトリガーを引いた。


 バシュドン!


 吹っ飛んだ扉の中にスタングレネードを放り込み、起爆と同時にスマートドッグを先頭にして建物内部に突入した。


◇203x年9月21日03:55 

琉球自治区八重山郡某所 C国基地内


 「“ダイ。進捗?”」


 “アイスマン”はドアを開けるなりそう問いかけて、ドカドカと入室してきた。


 平凡な外観の建物には似合わない豪奢な室内で、隊員たちは書類という書類を手当たり次第スマートドッグに接続したスキャナーに読み込ませていた。


 そう、ここが俺たちの作戦目標、[C国中央政治局第3660分室]だ。

 ここで、あの残虐な“沖縄の民族浄化”が指揮されていたのだった。


 俺たちはその証拠を追っていた。


 「“ペーパーは未だ40%ってとこかな。電子データは約80%ってとこだ。ちゃちな電子防壁はスマートドッグがあっと言う間に突破したよ。とにかく片っ端からドッグに読み込ませている。”」


 「“焦らず急いで根こそぎやってくれ。でないとラングレーCIA本部の天才共にどやされるぞ!”」


 そう言いながら、“アイスマン”は棚に並んだ高級洋酒のラベルに目を細めながら、軽く口笛を吹いた。


 おい、相棒よ!そのスコッチ、俺の歳の倍の数字が書かれてるんだけど・・・。


 “アイスマン”がそのスコッチの封を開けた瞬間!


 【“弾道ミサイル警報!”】


 鋭い警報音と共に「弾道ミサイル警報!」の文字がIVASゴーグルのHUDに点滅した。


 「“ミサイル警報ー!”」「伏せろー!」


 その瞬間、基地上空に巨大な火の玉が生まれ、1キロメートル以内全ての酸素を燃やし尽くし、絶望的に凶悪な衝撃波をその何倍もの範囲に撒き散らした。


 俺は肺と内臓を爆轟圧力によって破壊され、マホガニーのデスクに叩きつけられた。

 

  ・・・サーモバリック・・・



 ・・・そして俺の意識はそこで途絶した・・・



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

□SIG SAUER M5

本作のプライマリウェポンです。

前作で5.56mmNATO弾の脆弱性をご指摘頂きました。

M5の6.8mm弾なら、猪だってオーガだってどんとこいでっす!よね?ね??


米軍のM5/M250や6.8×51mm .277インチSIG Fury弾に関して、皆様のご意見をお聞かせくださいませ。m(_ _)m


参考サイト:

https://www.google.com/amp/s/milirepo.sabatech.jp/u-s-military-next-generation-rifle-ngsw-m5-and-m250-decided-to-be-sig-sauer-rifle/%3Ftype%3DAMP


※ミリレポ様の情報は本当に参考になりますm(_ _)m

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