箱の冒険

ヒロシマン

第1話 問題発生

 リンゴが5個入りの箱Xと8個入りの箱Yがある。箱は合わせて17箱。リンゴの総数が115個の時、5個入りの箱Xと8個入りの箱Yはそれぞれ何箱か?


 箱たちが集まって考えた。


 とりあえず、空の箱が17箱並んだ。


 X + Y = 17


 空の箱の前に115個のリンゴが並んだ。


 5X + 8Y = 115


 まず、5個入りの箱から考えることにした。


 X = 17 - Y


 5個入りの箱は全体の箱の数17箱から8個入りの箱を引いたもの。それに、5箱を掛ける。それに、8個入りの箱の8箱を掛けたものを足すと115個になる。


 5(17 - Y) + 8Y = 115


 これを展開すると、リンゴ85個から8個入りの箱を5箱掛けたものを引き、8個入りの箱を8箱掛けたものを足すと115個になる。


 85 - 5Y + 8Y = 115


 5箱は8箱から引くことができる。また、115個から85個を引くことができる。


 - 5Y + 8Y = 115 - 85


 8個入りの箱を3箱掛けたものが30個


 3Y = 30


 8個入りの箱の数は、30個から3箱を割ったもの。

 

 Y = 30 ÷ 3


 8個入りの箱は10箱。


 Y = 10


 5個入りの箱は、17箱から10箱を引いたもの。


 X = 17 - 10


 5個入りの箱は7箱。


 X = 7


 こうして箱たちは問題をクリアした。



 次に箱たちは「- × -」 がなぜ+になるのかを考えた。


 果物屋と果物を納める倉庫がある。


 倉庫には箱詰めのリンゴがたくさん積んである。


 箱はすべて5個入りで、63箱あった。


 5個入り × 63箱 = 315個が倉庫にある。


 リンゴの総数は315個だと分かった。


 果物屋から連絡があり、倉庫から7箱を果物屋へ届けることになった。


 この時、倉庫が「+」で果物屋が「-」と考えれば、


 5個入り × (-7箱)= -35個が倉庫(+)から減る(果物屋へ行く)


 倉庫(+)から35個、移動して減ることになる。


 果物屋(-)にあるリンゴは、


 (-5個入りの箱) × 7箱 = -35個


 35個が果物屋(-)にある。



 今度は果物屋(-)から3箱、倉庫(+)へ返品されてきた。


 (-5個入りの箱) × (-3箱) = +15個


 果物屋(-)の5個入りの箱が3箱、倉庫(+)へ行くので、倉庫(+)のリンゴは15個、増えることになる。


 このことから左辺の+-はどこにあるかを表し、右辺の+-は移動するかどうかを表していることが分かる。


 (-:果物屋 +:倉庫) × (-:移動する +:移動しない)


 だから、「- × -」は+になる。


 この問題も箱たちはクリアした。


 こうして、箱たちは問題から自分たちで式を考え問題を解決していった。

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