第16話 色なき風


君は色なき風が吹き渡る


荒野の中で真っ直ぐ空を見ている


悲しい思い出というのが


君の花言葉なんだってね


人間から見れば君は


悲しい花に見えるけれど


僕には君は命そのものに見えるのに


人間って見ず知らずだよ



この世で会えるとは


皆無に等しいと思っていた


だから、ずっと会いたくて、会いたくてしょうがなかった


会えないとわかりきっていて諦めていたのに


運命は気まぐれで案外


神様も優しいところがあるんだね


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