あなたはだめ

白川津 中々

ゲーム会社に応募したら課題が出された。


こちらが指定するドラマを観てプロットを書いてください。


言われるがまま海外ドラマを観て書いた。Dropboxにアップロードしていて権利侵害に該当するんじゃないかと思ったが知らないふりをした。


倍速で視聴を終え、シナリオプロットを作成した。4時間くらいかけた。内容はまぁ、ありきたりだけれどキャラクターの特徴を掴めていて、ドラマのメッセージ性からも外れてなかったと思う。これなら大丈夫だろうと送ったところ、採用担当からよくできているというメールが届いた。

すっかり浮かれた俺は合格する気満々だった。どんなゲームを作ろうか夢想し、クソみたいな生活からの脱却を信じて疑わなかった。




残念ながら今回はご期待に添えない結果となりました。




合否のメール。心臓が痛んだ。

有頂天になっていた自分が恥ずかしくなった。

馬鹿だね。俺が上手くいくわけないのにその気になって、希望なんか持つから。



打ちひしがれ、俺は今日も出社する。

皆様には電車が止まらない事を願ってほしい。それでは。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あなたはだめ 白川津 中々 @taka1212384

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ