第10話 虚無と記憶と物語の続き

【虚無と記憶と物語の続き】


 いつも通りの日々。

 いつも通りの日常。

 毎日7:30に起きて、8時に家を出る。

 その時に俺はなぜかつい隣の家の玄関を見てしまう。

 まるで誰かを待っているかのように。

 いつも通りの授業、日課。

 お弁当は中庭のもみじの木の下で食べる。

 そこにはいつもツインテールの少女がいて、同じ木の下で昼食をとっている。

 全ての授業が終了して部活の時間になるとき、いつも後ろを振り向いてしまう癖がある。

 後ろの席には誰もいないはずなのに。

 

 楓翼は部室のドアを開ける。

 そこにはいつも通りに澪がパソコンの前で氷花と一緒に作業をしている。

 楓翼は棚からお茶のコップを取り出す。その棚にはなぜかコップが5つあった。澪と俺の分しかお茶は作らないのに。

 あれ?お茶ってどうやって淹れるんだっけ。

「おい!楓翼!しっかりしろ!」

「なんだよ、澪。」

「お前マジで覚えてないのか!」

「なんだよ。そんなマジになんなって、ちょっとお茶の淹れ方を忘れただけだよ。」

「お前、本当に何も覚えてないんだな。」

「だから何をだよ。」

 すると、澪は何やらパソコンをいじり始める。

「なんだこれ……この世界にくるみさんのデータが何も残ってねぇ!って事は楓翼の記憶も消えちまったって事なのか……?」

「おい、どうしたんだよ。お前、今日、なんかおかしいぞ?」

「楓翼、これを被れ。今からお前に記憶を見せる。例え、お前のデータからくるみさんのデータが消えても、お前はどこかで覚えているはずだ。」

「?……わかったよ。」

 楓翼は畳に寝っ転がり、FD機能つきヘルメットを装着する。

 数分後だった。

 楓翼はヘルメットを取り、目を見開いたまま頭を抱える。

「俺は今まで……なんで……!なんで……!くるみ……!クルミ……!胡桃……‼」

「思い出したか。」

「おい!澪!お前、知ってんだろ!胡桃はどこだ!あいつらは何なんだ!」

 楓翼は澪の肩を掴んで泣きながら大声で言う。

「楓翼、よく聞いてくれ、今はまだ理解できなくてもいい。」

「……。」

「この世界はコンピュータの中なんだ。」



ーあとがきー

この「想像は現実に。(原案)」のリメイク版「想像は現実に。」は4月から別作品として違うシリーズで書いていく予定です。ぜひそちらもよろしくお願いします!

良ければこの原案時点での感想(レビュー)と評価(星)をお願いします!リメイクを書くときに絶対役に立ちます!ここ直した方がいいとか、特にどのシーンを残してほしいとか、キャラは主に変えない予定ですが、残したい追加してほしいキャラがいましたら、ぜひレビューのほうで教えて頂きたいです!リメイクでは新しい要素も組み込んでいく予定ですので、また違った印象になると思います……。

最後まで読んでくださりありがとうございました!また新しい「想像は現実に。」でお会いできることを願っています!

二階の守人より。

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想像は現実に(原案) 二階の守人 @nikainomoribito

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