タイトルからの印象以上に、重厚感ある日常系冒険ファンタジー

一章部分を拝読させて頂きました。

タイトルを見た時には、「お姉ちゃんに溺愛される異世界日常系なのかな」って思いながら読み始めました。
中身は思いの外、濃厚な世界観と重厚な設定に彩られた、本格派の冒険ファンタジーでした。

魔法やダンジョンが出てきますが、その仕組みや発生の経緯がきちんと説明されておりかつ理知的で、作者様の知見の深さと練り込み具合が窺えます。
世界観や歴史等の説明が作中入り込みますが、文章力の高さ故、読んでいて引っ掛かかるような箇所はありません。
長い地の文を書くと、私程度であればどこかで突っかかるような、収まりの悪い文章になりがちなのですが、本作はどこまでもスっと読めて滞りなく頭に入ってきました。この文章力の高さ、凄まじいです。

主人公とお姉ちゃんが主要キャラなのですが、周りのキャラ達も魅力的です。
「元冒険者の実の兄」や「その幼馴染の薬師兼魔女」が登場しますが、この方々で作品をもう一本書けるほどキャラやバックボーンがしっかりしていました。優しいけど一筋縄ではいかない過去や家族事情を抱えていて、こっちの物語も凄く気になります。


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