平安と現代を渡り歩いた最強才女が、近世最高の女傑に転生⁉︎

タイトルにある通り、平安から現代に転移した女性主人公が、今度はハプスブルク家を盛り立てた女性、マリア・テレジアに転生して大活躍するお話です。

概要としては、転生したマリア・テレジア(改)が現代の知識を容赦無く持ち込んで、ウィーンのために働きます。
打倒プロイセン、打倒ポテチ王子を合言葉(?)に、個性豊かな(史実)周囲の人間を巻き込み、コメディ調で話が進むのですが。
本人は勉強家で、当世の知識もちゃんと沢山学んでいきます。

主人公以外でも、楽しすぎる登場人物達が、毎回毎回どんちゃん騒ぎのようにお話を盛り上げます。
ちょっとした会話のやり取りの、言い回しの一つ一つが面白いんですよね。
固有名詞は多いのですが、そこもあんまり気にならずに読めると申しましょうか。
歴史物はちょっと苦手という方でも、ストーリーを追っかけるだけで十分楽しめる作風です。

もちろん作品の下地には、この時代に対する深い造詣がありまして、歴史や慣習、流行などを間違いなく捉えています。
作品を面白くするのは、その舞台に対するしっかりとした知識なのだと、改めて思いました。
素地がちゃんとしているからこそ、毎度の大騒ぎが笑えるものになると言いましょうか。

歴史好きな方もそうでない方も、それぞれ別の視点で楽しめる作品でした。

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