ちょっぴりハラハラしつつ、でも優しさが垣間見える作品でした。

家族を殺めたクラスメイトに対して
大多数の人は真っ先に『なんてことをしたの』とか『警察へ行きなさい』などの
相手の行動を肯定しない言葉がけをしてしまうように思います。

ですが
主人公の優さんは、まずクラスメイトの彼女の言い分をじっくり聴かれています。

個性って何だろうと思い悩む主人公の優さんですが
そういう対応の仕方ができることこそが
彼の素晴らしい個性のひとつであるように思います。

これを描かれた作者さんもきっと
優しいきもちの持ち主さんであるだろうなあと想像しました。

相手の行動の結果だけを見て判断するのではなく
そこに行き至った過程を聴いたり覗き見たりしてみることは
学校や家庭、社会など、どの場所であってもとても大切だと感じます。

殺人というとても重いものを背負ってしまった律葉さんですが
優さんとの出逢いで、彼のすてきな個性に影響され、成長していかれるといいなと願います。