貧乏神

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「幸」から一本引けば「辛」

「辛」に一本足せば「幸」

 一本あるかないかの違いだけ

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 貧乏神びんぼうがみ

 疫病神やくびょうがみ


 なんで、「神」なの?


 一神教の「主」も「神」とあらわすからおかしくなる。

 本来日本人が「神」と書いてあらわそうとしたものは万物自然、人間を超えた大いなる力。


 それからすると、人をどん底に落とす貧乏、世の中をひっくり返すほどの疫病えきびょうなど、マイナスでも人知を超えた力こそ、むしろ「神」としてふさわしい。

 荒ぶるなら鎮めようと、穏やかならば恩恵を受けようと、日本人はそれを祀り上げてきたのです。


 昔話でも、貧乏神も神には違いないと大切にすることで、福の神に転じて幸せを得る話があります。

 逆に、「竜宮童子」のように福をもたらしてくれたものを金持ちになったからと邪険にして、途端に何もかもを失うお話も。


 幸も不幸も背中合わせ。

 でも、引くか、足すかで大違い。

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