第20話 RPGあるある その5

『大臣「姫様をたすけるのに ふさわしいかどうか しれんを与えましょう!」』


『カリール王「うむ そなたのいう通りだな アルアスよ わしにその力を見せてくれ 近くのどうくつに まものが住みついて困っていると 民の声があった そのまものを倒してみせよ!」』


『はい


 いいえ』


 ウィンドウが現れた。

 断れよー! アルマスー!


『はい』


「……」


 うおぉーい!


「アルマス、いい奴だなー。試されてるとわかって引き受けるんだから」


「そうですねっ、さすが勇者の末裔ですね!」


 切り替え大事、推しの言うことは絶対。


『カリール王「それでこそ 勇者のちをひくものじゃ これで身の回りを整えるとよい」』


『アルマスは 40マネー うけとった!』


「……」


「ココちゃん」


「はい」


「王様ってケチだな」


「……ですよねー」


 これもあるあるですけどねー。


 RPGあるある、その5。

 世界を救えとか言う割には、端金はしたがねをよこし、備品を自腹で買わせようとする。


 ま、これは前段階だから、端金以下ですけどねー。


「盗賊を倒した懸賞金を渡してやった方がいいんじゃないか? ってダメだな」


「何がですか?」


「ココちゃんが頑張って最後の盗賊を倒してくれたんだ。あの10万はココちゃんへのご褒美だからな。アルマスでも渡せねーな」


「…………」


 いつ如何なる時でも、私を褒め倒す。その方がご褒美です!


「お、アルマスがこっちに来るな。城から出ようっ」


「はいっ」







 カリール城下町、武器屋の入り口にて。アルマスの買い物見学。


『※「ここは武器と防具の店だ どんな用だ?」』


『かいにきた


 うりにきた


 やめる』


『かいにきた』


『※「どれに する?」』


『石のつるぎ 石のつえ 石のたて 石のよろい 石のかぶと 石』


「……」


 やってた時も思ったけど、石ばっか! 最後なんかただの石でしょ! 金を取るな!


『石のつるぎ 40マネー』


『※「石のつるぎだな 誰がもつんだ?」』


『アルマス』


「……」


 自分しかおらんじゃろがい!


『※「さっそく そうびするか?」』


『はい


 いいえ』


『はい』


『アルマスは 石のつるぎを そうび させてもらった! こうげきのちからが 6から13になった!』


「……」


 弱っ! 弱いのにカリール王がくれたお金はもうなくなったよ! あるあるのお金の量だけど、酷いよね! これもある意味、新種のイジメだよね!


「もう、なくなっちまったなー。あいつ防具はもう買えないな」


「……ですね」


「でもま、こういう時のために俺たちがいんのか」


「え?」


「先回りして、洞窟に住みついた魔物を倒せばいいんだろ? そうすれば、あいつが倒した事になり、王様の信頼も得られる。頑張るっきゃねーな」


「…………」


 私とは正反対のポジティブ。やる気に満ち溢れた表情。燃えるような強い眼差し。……よき!


−−−−−−


 あとがき。


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