エイルの挑戦状6

 6回目もプロット指定です。


 ここからは毎月突破されるたびにネタを変えて開催です。今回も間口を広げて、ファンタジーから現代ドラマまでなんでも行けますぜ!!


 なおネタ提供よろしくお願い申し上げます(≧∇≦)b


 エイル公認タグは エイルの挑戦状 です(*^_^*)使用は自由ですよ(≧∇≦)b


 細かいルールと他の参加者様の作品は企画アドレスを、下記に掲載しますのでご確認し楽しんで来て下さい。

 

【エイルの挑戦状6】違う、違う、そうじゃない

https://kakuyomu.jp/user_events/16817330647928458377


2022年10月



 それではエイルのチャレンジをどうぞ!! 





魔族と領土を奪い合う血塗られた歴史を歩んでいる異世界がある。

 

 戦争は魔法技術や武器製造技術の発展をもたらし、平和利用もさせることで戦争は生活の向上、経済成長に貢献している。その一方で死者をだし憎悪を煽り、環境破壊を促進するそんな面もある。

 

 そんな異世界へ一人の男が神に説明を受けて、救うべく転移しようとしていた。

 

「貴方の死は私のミスじゃないし、向こうの神のお願いなんですよ。なのになんで貴方のチートとか説明とか全部私がやるんですか?管轄外の無料奉仕とかやりたくないです」

 

 神は最後の最後にそんなことを言っているが、転移する男はこれでは困る。

 

「あの~、チートとかは良いので普通に生きていけるようにだけお願いできませんか?」

 

「はぁ~交通事故で致命的に壊れた身体を治せと?現代医学でも治療無理なのに、それを無料で?死者蘇生なんて奇跡ですよ?分かってる?」

 

「それなら異世界に死体を送りつけるから迷惑なだけなのでは?どうにか生きていならキレイにしてくれなんて言わないのでお願いします」

 

「星を超えて肉体転移なんて大掛かりな事も無料なんですよ?死体で不満があります?」

 

「・・・そこまで自分の人生に未練はないし、死体で転移よりはこのまま地球で死んで埋葬されたいです」

 

「はぁ、後で向こうの神にブチッたと文句言われるのもめんどいなぁ」

 

「えっと、なら最低限の生きる力があれば俺は人生楽しめますから、それだけお願いします」

 

「そうだ!!肉体なくても消えないチートを授けましゃう。そしたら肉体要らないし魂だけだし転送コスト節約♪それじゃ行ってら」

 

「えっ!?えーーーーー」

 

「おっと定番の言語・文字完全理解と収納魔法は与えねば!!それじゃ世界を救って平和にしてね」

 

 こうして前代未聞の幽霊が転移したのだった。

 

「世界最強になる可能性のある勇者が、そもそも幽霊ならどうなるのかしらね?」

 

 神の言葉を聞くことは無かった。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「幽霊?こんな街道のど真ん中に現れるとは珍しいな」

 

 この世界で開発された魔法機械車の後部座席に座る明らかに身分が高位の男が報告を受ける。

 

「憎しみ深い悪霊では無さそうですが、哀れなので天国へ送る準備をしますので、お待ち下さい」

 

「うむ、死者を手厚く葬ってやれ。しかしながらこれから王国とのツープラスツー会議というのに、遅刻だな。これがどれほどの損害か幽霊に知ってもらいたいものだな・・・!?!?!?」

 

 報告を受け遅刻に少しグチを言った将軍に悪寒が走る。

 

「閣下!?」

 

『なんか偉い人に取り憑いたのか?幽霊スキルすげー』

 

「幽霊よ、この世に何が未練なのだ?無いなら天国で安らかに眠る方が幸せだろう?」

 

『未練?特に無いが俺は人生を最大限楽しむのが信条だ。まだ消えるつもりは無い』

 

「そうか、しかし将軍に取り憑いたことを冥土の土産にしろ」

 

 将軍の部下により準備された、簡易であるが浄化魔法と簡易的ながら聖書の暗唱が行われる。

 

『これから面白くなりそうなのに断る!!人の不幸は蜜の味!!スキャンダル!!ゴシップこれこそ我の求める娯楽なのだ〜〜〜負けん負けんぞ!!』

 

「「「・・・」」」

 

 幽霊は帝国の将軍のスキャンダルやゴシップネタを求めて除霊を耐えた。

 

「命に今すぐ死に直結はしなかろう。帝都の教会にて除霊を願うとする。手配を頼めるか?」

 

「畏まりました」

 

 国際会議に遅れるし取り憑かれるし散々ではあるが権力者なので高位の神官により、除霊されるまでの我慢と、将軍は幽霊を無視するのであった。

 

 帝都に到着し会議へと慌ただしく参加していると、幽霊が居ないことに気がつくが、なんとなく取り憑かれたままのは分かるため除霊を、早急にせねばと思いつつ、会議に参加したのだった。

 

 そして教会で帝国最高位の神官により、将軍の除霊が行われる日となった。

 

『お集まりの皆様!!本日は将軍の特大スキャンダルを聞いてくれ!!』

 

 なぜか除霊儀式で演説する幽霊というシュールな事になる。

 

『なんと人類の敵なのに!!この将軍は魔族から賄賂を貰って軍事情報は漏らすし、戦争しないと密約はしてるしと、職権乱用してるぞ!!』

 

 ざわつく教会。

 

「根も葉もない話に惑わされるな。これこそ魔族の陰謀だ。除霊を始めてくれ」

 

 神官が有り難い説法と、最高位の浄化除霊魔法が発動する。

 

『あっ、なんかイイ話しなんだと思うけど、俺の信じてる神は俺をこの世界に送ってくれた女神なんだわ。そんな知らないし信じてない神の言葉は効かないぜ』

 

 まさに馬の耳に念仏、全く無効で幽霊はノリノリで説法と除霊魔法を無視して収納魔法から何やら書類を取り出す。

 

『嘘じゃないぜ!!裏帳簿に密約の契約書、さらに会談の記録まであるぜ!!』

 

「なに!?金庫に厳重に保管してあるはずだぞ」

 

『はーははは、幽霊に壁なんて意味ないね♪そして収納魔法でも出し放題ときたもんだ、ほれ証拠だぞーコピーも街中に撒いてやるぜ〜♪』

 

 念のため何を撒いてるのか手に取り読む将軍は、魔族との賄賂や密約だけでなく、ドMなので妻に拘束鞭打されながらの夜の生活まで赤裸々に綴られたゴシップ記事まで有ることに気が付く。

 

「ヽ(`Д´#)ノあいつをぶっ殺せ!!」

 

『はーははは怒るとは図星の証拠だぞ〜!!ほらそこのオバちゃんこれも面白いよ』

 

 将軍は嫌な予感がして、猛ダッシュしてオバちゃんから紙をひったくり読んでみる。

 

 [なぜ刻みネギがうどんに乗ってるのかね?私はおろし大根に常に変えねばならんのだ?帝国軍の、最高責任者という責務かあるのだ。そのプレッシャーがありながら部下のことを考えているというのに君はなぜ気遣いが足りないのか・・・]

 

 そこには昼食に嫌いなネギが、出されたことをネチネチと部下へ当たり散らす様が事細かく書かれている。

 

 ワナワナと、怒りに震える将軍と思わず吹き出す部下達であった。

 

「もはや手段は選ばん!!あの幽霊は国家の敵だ!!滅ぼせ」

 

 帝国軍の魔法集中攻撃が行われる。

 

『げっやっば!?』

 

 そして幽霊にも魔法は命中した。そして凄まじい爆発と、煙が立ちこめる。

 

「やったか?」

 

 そして爆煙が晴れると無傷の幽霊がいる。

 

『あれ?なんともない?確かに当たったんだが??』

 

「手加減無用!!消し飛ばせ!!」

 

 今度は対装甲車用の魔法砲が起動されて猛攻撃を、加える。

 

「これはスキルで耐えられるレベルではない。苦しまずに消えて良かっな」

 

 将軍は勝ち誇ったように呟く。

 

『我が神よ!!肉体なくても消えないチートありがとうございます。よく考えたら無敵じゃないか。はーははは、はーははは』

 

「そんなばかな!?こんなことがあってたまるかぁ〜!!!」

 

 もちろんいろいろと暴露されたので将軍は免職されたのだった。

 

 その後、芸能人や政治家、有名人などなど人間も魔族も分け隔てなく幽霊の被害にあった。

 

 結界や強力な除霊方なども開発されたが、勇者の能力を決壊破りに極振りされて、突破されて神のチートには敵わず倒すことは不可能であった。

 

 暗号化して対抗もしたのだが、言語・文字完全理解により読める物はすべて解読され、どんな証拠も収納により持ち出された。

 

 いつしか監視されてる前提の社会になり、生き辛い世界になった。だが戦争や犯罪は無くなることはなく、幽霊にスキャンダルとゴシップを提供し続けたのであった。

 

『幽霊って、最高だな。女湯は覗き放題、秘密は知りたい放題、いやー最高だぜ』

 

 たくさんの自殺者や精神的に追い詰められ廃人へと追い込んだのである。

 

 そして彼はこう呼ばれたのだった、世界の監視者にして殺人鬼SNSの使い方は気をつけてねと。

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