第41話 大陸の動乱、その1
建国祭の後、鉱山から宝石、金、銅の発掘が本格的に始まり、銅はそれ程でもないが宝石は高価な宝石で金も良質な金で精錬と加工をしているドワーフの鍛冶師が驚く位だ。
砂鉄は思ったより大量に取れて半分をドワーフ国に送るとドワーフ族が喜び武器を作っていたが、そのドワーフ国のギオス国王から緊急連絡が入り。
何と今までは武器の調達国であるドワーフ国と友好関係にあったバロン帝国が戦線布告もなしに突然侵攻して来たと連絡があったのだ。
そんな時にバロン帝国を偵察していたバースが帰って来て報告をしたが、報告を聞いたトムは、ドワーフ国、今は見た事のないエルフ国と獣人国を助けてバロン帝国と戦う決意をしたのです。
ライガー王国は1番バロン帝国から遠く、応援部隊を送ったが人数が多いので徒歩でドワーフ国に着くまで1カ月近くかかるので、応援部隊が着く迄、ドワーフ国が持ちこたえられるか心配なのだ。
トムは応援部隊の編成を考えて、フォーク国の守りに、オーガキングのドガ、神獣(白銀狼)ゼット、バンクが将軍の専守防衛軍を残した。
応援部隊はドラゴンのライザーが。
「我1人でも帝国軍など焼き払えるから人数は少ない方が良いわい、トム様と我で充分だ」
と言うのでトムも確かにそうだと思い、念のために実力のある少数精鋭主義で何処にでもすぐに移動出来るように、トム、ジエル。ナナリーナ、ライザー、バースに怪我をした時の為に、聖魔法の治癒魔法使えるローランにして空間移動でドワーフ国に行こうとした時に。
フォーク国の上空に何と! ワイバーンが10匹現れて上空から炎のブレスを吹きかけて来たのだ。
トムが直ぐに防御スクリーンでブレスから街を守って、上空のワイバーンを見るとワイバーンには人が乗って、ワイバーンを操っていたのだ。
ライザーが激怒して。
「玩具みたいなブレスを吐きおって、本物のブレスを食らえー」
ライザーがブレスを吐くと凄まじい豪炎が一瞬にして10匹のワイバーンを焼き殺したのだ。
何と9匹は灰になり、1匹が半分だけ焼かれて地上に落ちて来た。
落ちて来たワイバーンを操っていた男は重傷だったが辛うじて生きていたのだ。
その男を見てバースが。
「着ている軍服は帝国の紋章が入っているので
帝国の軍人で間違いないです」
トムがその軍人がもうすぐ死ぬので急いで催眠魔法で知りたい事を聞きだしたのだ。
聞きだした直後に軍人は死んだが貴重な情報を聞きだせたのです。
それによると、1年前に雇われたバンダイと言う人物が首席将軍になり、軍の改革を進めて奴隷兵や魔獣を操る首輪の作り方を教え、奴隷兵を増やし、ワイバーンや魔獣を操り敵国を侵略し始めたらしい。
その話を聞いたバースが。
「トム様、そのバンダイと言う人物は普段は普通の人間の身体をしていますが、主席将軍が報告した、身長は2mくらいで口は、大きく裂けて中は真っ赤で鋭い牙が生えていて肌は黒く背中にはカラスのような黒い羽根を持つ異様な姿の人物で、同じ姿の4人の配下を連れていまし
た」
「報告にあった異様な姿の5人か。どうやら強力なスキルの持ち主みたいだな、出会ったら注意が必要みたいだ」
トムはドワーフ国に行くのを1日延ばして、もしもに備えて作って置いた防御スクリーンを張った後に維持する為の魔石で魔力を供給する魔道具を設置して、キョウト街、アコウ街、サド街に防御スクリーンを張った。
その他に防御スクリーンの外の森の中に前世の知識で作った空からの敵を撃墜する光熱の光線で敵を打ち落とす、高射砲を数台設置してバンクに使い方を教えたのだ。
もし、ワイバーンを操った攻撃がなかったら、トムたちがいない時に攻撃されていたらフォーク国は多大な損害を受けていたと思い、対策を講じられて、今回のワイバーンの攻撃は禍を転じて福と為すだった。
後で分かったが、トムたちがドワーフ国などを助けている間にワイバーンによる攻撃を10回受けたが防御スクリーンで守り、高射砲でワイバーンを打ち落とし被害が無かったのだ。
フォーク国の防御を終えった翌日にドワーフ国に移転して行くと、20匹のワイバーンを操る軍人の攻撃を受けて街が炎上していた。
バースが氷結のブレスでワイバーンを凍らせて地上に落としてジエルが毒液で溶かして10匹を倒して残りの10匹はライザーがブレスで灰にしたのだ。
逃げまどっていた住民が歓声を上げて喜び、ギオス国王が涙を流して感謝していたのです。
だが街にはワイバーンのブレスで焼き殺された住民の死体が転がり、焼かれた家屋がまだ煙を上げて、悲惨な状態で街の半分が破壊されていたのだ。
まだ燃えている家屋や場所はバースが氷結のブレスで凍らせて延焼を食い止めて被害を少なくしたのです。
王城は石作りなので辛うじて残り、王城の中に入るとトムはギオス国王に。
「応援が遅れて申し訳ない。もう1日早ければ被害を少なく出来たのに・・・・・・」
ジエルがギオス国王に。
「フォーク国にもワイバーンの攻撃があったので遅れたのです。でも帝国を許せないわ、ライザー、本気で帝国の軍人を焼き殺して良いわよ」
「我も帝国を滅ぼそうと思っていた所だ、遠慮なく焦土にしてあげよう」
トムが帝国の住民を心配して。
「ライザー、罪の無い住民は攻撃するなよ」
「トム様の命令でも聞けんな、その甘さが命取りになるのだ。今日何人の罪の無いドワーフ族が命を失ったと思うのだ。多少の犠牲は仕方ないだろう。帝国を早く潰さないと罪の無い人々の大勢の数の命が増え続けて亡くなるのだぞ」
トムはライザーの言葉に戦争の悲惨さを想い知らされたのだ。
綺麗事や理想論は通じないのが戦争だと知らされたトムは、力で徹底的に帝国を潰す決意をしたのです。
ギオス国王が感謝の言葉を繰りかえしていたがトムはエルフ国と獣人国が気になり。
バースに聞くと獣人国も被害は酷いがエルフ国は壊滅状態で、捕まったエルフたちは檻の中に閉じ込められて奴隷にする為に帝国に送られると聞いてトムたちはライザーの背中に乗って急いでエルフ国に向かったのだ。
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