第39話 建国祭
ローラン、ナナリーナ、ジエルと正式に婚約したトムは、フォーク国を内外に知らせる建国の日を7月7日と決めて建国祭をする事にしたのだ。
建国祭には帝国を除く各国に知らせると共に招待状を送ったのです。
ライガー王国とドワーフ国は勿論出席するが獣人国とエルフ国は帝国の侵略を受けているので出席出来なく、出来たら同盟国のライガー王国に応援部隊を派遣して欲しいと連絡があったのだ。
アイオイ国王とギオス国王と話し合ったが、バロン帝国の最近の情報が無く分からないので情報を得る為にライガー王国とドワーフ国が優秀な情報員を帝国に向かわせる事になった。
トムも他人事では無いので情報部のバースにバロン帝国を偵察するように命じたのだ。
建国祭は予定通り行う事にして最近は人化せずにフォーク国を見守っている神木ラガーが、久しぶりに人化して建国祭を盛り上げる為にキョウト街を花々で飾り付けたのだ。
建国祭の当日、城の前の広場にアコウ街とサド街からも大勢の住民が集まり城のテラスにトムとこの日の為に作ったドレスを着た婚約者、ローラン、ジエル、ナナリーナが両側に並んで立ち。
トムが大きな声で。
【今日の良き日にトム・バンドウは国王としてフォーク国の樹立を宣言する】
国の樹立の宣言をすると集まった大勢の住民から周囲を揺るがす程の大歓声が上がり、トムたちも手を振って歓声に答えたのです。
歓声が止んだ頃にトムが婚約したことを発表し婚約者のローラン、ジエル、ナナリーナの3人を紹介すると又、大歓声が上がり建国祭は盛り上がったのだ。
街には色んな屋台が立ち並び大道芸人が魔法を使った不思議な芸を披露して、街は祭り一色で塗りつぶされて移住者や異種民族が此の祭りを境に偏見を捨てて仲良くなり、フォーク国民としての意識を持つようになったのです。
こうして建国祭は大成功で幕を閉じ7月7日は建国の日として毎年建国祭が行われるようになったのである。
又、フォーク国には奴隷は犯罪奴隷以外に奴隷は禁止され、貴族制度が無く住民は好きな姓を名乗る事も許されたのです。
建国祭の晩は城の大広間で招待された人たちでパーティーが開かれて貴族のパーティーと違い飲んで食べて隠し芸を披露するなど大いに盛り上がったのだ。
アイオイ国王夫妻もいつもと違うパーティーに喜び夫婦でダンスを披露し拍手喝采を浴びてご満悦の様子だった。
ナナリーナがトムのリクエストであの故郷を歌い。
「兎追いしかの山・・・・・・・・・・」
と始めると会場が静かになり、中には涙を流して歌に聞き入り、歌い終わると万雷の拍手が沸き上がったのです。
パーティーも終わりトムの部屋に婚約者3人も集まりお茶を飲んでいるとナナリーナが。
「トム様、私たちの前世の記憶がある事を話しておいた方が良いのと違います」
トムも話そうと思っていたのでトムがジエルとローランに前世の記憶があり、前世ではナナリーナと同じ国で生活していたと話すとジエルが。
「やっぱり、私は長い事生きているから前世の記憶を持っている人を何人も知っているけれど、異世界の記憶もっているのはトム様たちが初めてよ」
ローランも余り驚かないで。
「私は王族以外見る事の出来ない王城の書庫で昔、異世界からの転生者がいたと言う記録を見た事があるから驚かないし、2人が転生者でも此の世界で生まれて育ったのだから、私たちと同じ此の世界の人間なので何の問題も無いわ」
話した後にトムとナナリーナはジエルとローランが偏見を持たずに今までと同じなので。ホッとしてそれ以上に嬉しかったのです。
それよりもトムとナナリーナが同じ世界で生きていたと聞き、どんな世界だったのかと質問攻めにあい、日本酒や今はこの国の主食のお米や唐揚げ、うどん、刺身。にナナリーナの建築物、トイレ、お風呂、船などは前世の世界の物でそれを創造の魔法で再現したと説明すると、ジエルとローランは感心して納得していたのです。
但し誤解を招くので前世の異世界の記憶を持っていることは口外しないようにしたのだ。
ジエルが心配そうに前にも言った事を言い。
「トム様、魔物の私と本当に結婚しても良いのですか?」
「何回聞いても俺の答えは一緒だよ。俺はローランとナナリーナと同じくらいジエルを大好きで心から愛しているよ。だから心配しないで良いから」
トムの言葉に泣き出してジエルは。
「ワァーン、ウッウウ、トム様ありがとう。私もトム様を会った時から好きになり、今は世界中の誰よりも愛しているわ」
ローランとナナリーナも自分たちと違い魔物なので悩んでいたジエルの苦しみを知っていたので貰い泣きをして。ローランが。
「ジエル! 大丈夫よ、私たちが付いているわ。助け合って幸せになりましょう」
「ありがとう。私は優しい親友に恵まれて神様に感謝するわ。2人とも本当にありがとう」
その晩のトムは、結婚する3人の仲が良いので結婚してからの生活に不安が亡くなり安心して眠りに付いたのです。
フォーク国に裁判所も作ったが、凶悪な犯罪も起きず夫婦喧嘩の仲裁をするくらいで平和過ぎて逆に心配なくらいなのだ。
だが、見えない処から凶悪な者たちがフォーク国や世界を、闇の世界に落とそうとしている事には気が付かないトムたちだったのです。
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