第11話 死霊との闘い、その1


 そんなある日にトムたちは、魔石を売ったお金が大分貯まったので旅に出る事にして何処に行くか話していたのです。


 ギルドの階下が余りにも騒がしいので様子を見に行くと、B級冒険者の4人のパーティーが、黒の森に死霊魔獣と魔物が出て一緒に行ったB級冒険者パーティーの3人が死霊魔獣に襲われて食い殺されたと、震えながら喚いていたのだ。


 トムたちは2カ月位、黒の森に通ったが死霊魔獣や魔物に出会った事が無いので死霊とはどんな者か知らないので、黒の森から逃げ帰えった冒険者の1人に聞くと余程、恐ろしかったのか青白い顔で涙を流して震えながら。


「人間や魔獣、魔物の骸骨や体が半分腐って嫌な臭いがして恐ろしくて必死で逃げて来た」


 トムはその冒険者の話を聞いて前世のテレビドラマで見たゾンビを思い出しのだ。


 トムたちは、旅に出るので黒の森には行く予定が無く関係無いと思い部屋に戻り旅の目的地を王都に決めて眠りに付いたのです。


 しかし、夜明けが近い真夜中にギルド内で怒鳴り声や喚き声が聞こえて、ラガーとジエルが起きでトムの部屋に来てジエルが。


「騒がしいわね、寝られなくて起きてしまったわ。何があったのかしら」


 小鳥姿のバースが来て。


「様子を見てきましたが、街の防御壁の上から外を監視している警備兵が大勢の死霊の群れが街に向かっていると騒いでいるので見に行ってきました。空を飛べる死霊もいるので此のままだと街は破壊されて住民は食い殺されて全滅すると思います」


 バースの報告を聞いたトムは直ぐに決断して街を守る為に死霊と全力で戦う事にしたのだ。


 前世のテレビドラマのゾンビは首を落とすと消滅するが、500位までの数なら良いがバースの報告では数え切れないほどでもしかしたら何万いるかも知れないらしい。


 首を落としていたらその間に街は滅びてしまうので、どうしたら良いか考えているとラガーが。


「トム様、ジエルの毒液で死霊を溶かせばいかがでしょう?」


「ジエル、一度にどの位の死霊を溶かせる?」


「やってみないと分かりませんが、多くても100が限度だと思います」


「そうか・・・・・・やっぱり無理か・・・・」


 ジエルが思い出したのか。


「トム様、そう言えば死霊は白魔法と火魔法に弱いと聞いております。トム様が火魔法を使えるのは分かっておりますが白魔法は使えないのですか?」


「ん? 白魔法? 白魔法とはどんな魔法だ」


「白魔法とは聖魔法の事です」


 トムは自分のステータスを見た時に鷹の爪の魔法使いから移し獲ったスキルの中に聖魔法があつた事を思い出し」


「使った事は無いが聖魔法のスキルはあるよ」


「それなら死霊を全滅させられると思います。使い方は、最初は火魔法で戦いながら、聖魔法も使っていけばトム様なら直ぐに聖魔法を使いこなせると思いますから大丈夫ですよ」


 そんな話をしていると街の様子を見ていたバースが。


「大変です! 死霊が街に入ってきました。急いで戦闘服に着替えて下さい」


 まさかもう死霊が街に入っているとは思わず、急いで戦闘服に着替えて外に出ると、街の上を骨だけの鳥の死霊魔獣が飛び回って住民を襲っていたのだ。





 トムたちがギルドの外に出ると、信じられない地獄絵が繰り広げられていたのだ。


 3メータはある骸骨の鳥がまるで生きているかのように空を飛び回り、住民を襲い食い殺していたのだ。


 戦力になれないラガーはトムたちの邪魔にならないように人化を解き、姿を消してバースは小鳥の姿でトムの肩にしがみ付きながら。


「トム様、風魔法を使えば空を飛べます、風で自分の身体を包むと身体が浮き上がりますから気流を発生させて気流を自分の思うように動かして飛んでみてください」


 

 トムは、ぶっつけ本番でバースに言われた通りにすると、身体が浮く上がり気流にのって空に舞い上がり気流の流れを進みたい方向に向けると、思う通りに飛べたのです。


 トムが喜ぶ暇もなく死霊の鳥が襲ってきたので火の魔法で火炎放射機みたいな炎を吹き出して死霊に放つと死霊は灰になって消えたのです。


 地上ではジエルが毒液をまるで光線のように吹きかけて死霊を溶かしどの位の時間がたったか分からないが気が付くと街から死霊がいなくなり住民が外に出て歓声を上げてトムに礼を言ったがトムは大声で住民たちに空から大声で。


「まだ死霊の群れが街に向かっている。家の中に隠れて絶対に外に出るなー!」


 トムが空を飛んでいるのを見て住民たちは驚いていたが、トムの指示に従って家の中に避難したのです。


 死霊と戦える冒険者や警備兵は少なく火魔法を使える冒険者と警備兵に焼き殺す方法を教えていつの間にか街を守る為に、住民や冒険者に指示を出して全員がトムの指示に従っていたのです。


 住民を避難させると火魔法を使える冒険者と警備兵を防御壁の上で死霊が街に入らないように火魔法で焼き殺すように指示したのだ。


 トムは、ジエルと自分を紐で結び、風で包み飛んでみるとジエルが初めて空を飛んで。


「うわー! すごーい! 私、空を飛んでいる~」


「ジエル、俺から離れると地上に落下するから絶対に離れるなよ」


「それじゃトムに抱き着いていようかしら」


「生きるか死ぬかの戦いなのに良くそんな冗談が言えるな」


「トムなら死霊を全滅させると信じているから冗談も言えるのよ」


「アハハ! そう言われたら頑張るしかないな」

 

 トムとジエルは冗談を言いながらも死も覚悟して死霊の群れに向かって戦いを挑んだのだ。


 死霊の群れは後方が見えないくらいの数で人間、骸骨、ゴブリン、オーガの魔物、狼、熊、虎、ライオンなどの魔獣の骸骨、腐った肉の臭い匂いの死霊など多種多様の死霊の群れだった。


 トムは火炎でジエルは毒液で死霊たちを溶かして灰にして何千と言う死霊を倒したが、死霊の数は減る処か増えたように感じ、トムは聖魔法を使い始めたのだ。


 聖の光線を死霊に放つと、死霊は何も残さず消滅したのだ。


 ジエルが荒い息を吐き。


「もう、駄目! 魔力が限界みたい。一度帰りましょう」


 トムは最後に聖魔法で流星を雨のように降らせる事は出来ないか考えて実行に移して。


【聖の流星魔法】


 と叫んで魔力を最大限注いで聖の魔法を放ったのだ。


 空に無数の光の玉が現れて流星の光の光線となり、無数の光の流星が死霊に降り注ぎ光が消えると、そこには死霊の姿は1つも無く、ジエルが。


「トム、やったわね! 死霊を全滅させたわよ」


 言われたトムは、魔力を使い過ぎて意識が朦朧とした、慌てて地上に落下する前に空間移動でギルドに移動しようと魔法を発動した所で意識を失ったのだ。 

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