第20話 ことりさん
返事がなかなか帰ってこなかったので、その間に夜ご飯を作って食べた。
今日の夜ご飯は手作りシチューだ。
小麦粉とバターを炒めてホワイトソースを作って、あとは牛乳とか野菜とかお肉とかをなんやかんやしたら完成!
隠密のせいで買い物に行けないけど、野菜とかは全部ネットで買えるから問題ない。
置き配に設定したら人に会わなくてもいいから助かるよ。
明日の準備も済ませたからあとは寝るだけだ。
でもその前にDMが届いてないかだけ見ておこう。
DMを確認してみると10件以上届いていた。
1つ以外は迷惑DMだったので、ブロックしておこう。
「ブロックし終わったから早速本命のDMを読もう!」
本命って変な言い方な気がするけど気にしないでね!
『え、ほんとにパーティを組んでくれるんですか? いや、嘘じゃないことは分かっているのですが……あの、はい、えっと……あ、ありがとうございます! あと、これが私です……やっぱり男の人じゃないって証明するには自撮りを送るのが1番だと思いまして……』
DMを送るだけでここまで焦ってる人、私初めてみた。
「写真ってこれかな? 2つあるけどどっちだろう」
送られてきた写真を見ると水色の髪をした少女が写っていた。
比べるものがないから正確にはわからないけど、そこまで背は高くなさそう。
身長の割には胸が大きい気がする。
私に喧嘩を売っているのかな?
もう1つの写真を見てみるとすごいブレブレだった。
間違えて失敗した方も送ってしまったのかもしれない。
そんなことを考えていたら
『ま、間違えて失敗した方も送ってしまいました!! ごめんなさい〜!!』
って送られてきた。
『落ち着いてください』
と返信すると
『はい……ごめんなさい……』
と返ってきた。
この後、DMよりLEINの方が便利だということに気づいたからLEINを交換した。
LEINの交換をした後、自己紹介とかをした。
やっぱパーティを組むならお互いのことをよく知っておいた方がいいよね!
もちろん私の自撮りも送ったよ。
彼女の名前は
歳は最初に言ってたのと同じ17歳で、高校にはわけがあって通っていないらしい。
スキルについて話したらパーティを組むのをやめるって言われるかもしれないと思ったけど、小鳥さんを信じて説明した。
私の説明を聞いた小鳥さんは
『すごいスキルなのにそれは悲しいですね……代われるなら代わってあげたいです……』
と言っていた。
パーティを組むのがこの人でほんと良かったよ。
ずっと気になっていた小鳥さんのスキルも教えてもらった。
小鳥さんのスキルは固有スキルで「正直」という名前のスキルだそうだ。
効果は相手が嘘をついているか分かるという効果で、直接話さなくても電話越しや文字での会話でも発動するらしい。
だから私が身長を盛ったことがバレたんだね。
このスキルはハズレスキルではないけど、大きな欠点がある。
その欠点はダンジョンを探索する時、全く役に立たないってことだ。
だから、これまで何回もパーティメンバーを募集したらしいけど、誰も組んでくれなかったそうだ。
私は組んでくれたら誰でもよかったから、どんなスキルでも関係なけいけどね!
小鳥さんみたいな優しい人なら尚更だ!
それから色々話した結果、一緒にダンジョンに行くのは1週間後に決まった。
『なら1週間後、ゴブリンダンジョンで会いましょう!おやすみなさい!』
『はい!琴音さんもおやすみなさい』
おやすみなさいって言ったけど、1週間後が楽しみすぎてなかなか眠れなかった。
「たのしみ〜♪」
★
翌日。
私は昨日予定していた通りゴブリンダンジョンの探索をしていた。
今は9階層だから次でボスだ。
進んでいくと階段があり、そこにハイゴブリンとゴブリンシャーマンがいる。
その後ろにはゴブリンスライムもいた。
ゴブリンスライムを見つけたのは今回が初だ。
レベルが上がった今の私なら3体同時でも余裕で勝てる。
まずは邪魔なスライムを蹴って倒す。
スライムを倒してすぐに2体の首を短剣で切って倒す。
首を狙えばハイゴブリンも2、3回の攻撃で倒せるのだ。
魔石を全て拾った私はボスの部屋に降りていき、ボスも同じように倒した。
『レベルが上がりました』
ボスを倒すとレベルが17に上がった。
「そろそろもう少し上のダンジョンに行ってもいいかもしれないね!」
そんなことを言いながら報酬部屋に向かう。
『ダンジョンクリア 報酬:魔石(大)』
『ダンジョンクエストのクリアを確認』
『ノーマルモンスター全種討伐 クリア報酬:【力の指輪】』
『1分後、ダンジョン入口に転移します』
「【力の指輪】ってなんだろう? ダンジョンを出てから確認してみよー!」
報酬を全てリュックに入れた後、部屋は光に包まれた。
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