第19話 嘘がバレた
『8888888888』
『8888888』
『8888888888888』
『ぱちぱちぱちぱちぱちぱち』
『うるさww』
『そんなことより誰かパーティ組んであげたら?ww』
『レベル20すらないとか無理だわ』
『女子なら考えてやらんこともないでござる』
『どうせ中身おっさんだろww』
『パーティメンバー募集しています。レベルは14の初心者です。っておっさんが書いてるの想像したらクサハエル』
『レベル14のおっさんとパーティ組むとかキッツww』
『拷問で草』
『てか嘘つきっ子どこいった?』
『嘘つきっ子逃げたんじゃね?』
『ま?』
『そもそも嘘つきっ子って誰なんや? 有名なんか?』
『スライムダンジョン(笑)で新クエスト発見した! って前言ってた奴』
『バレバレの嘘で草』
「逃げてねーよぉぉ!! それにおっさんじゃねぇぇぇー!!!
あと嘘でもない!!!」
私はスマホに向かって叫んだ。
「はぁ、疲れた……」
私だって怒る時は怒るのだ。
部屋で怒ってもしょうがないけどね。
『逃げてねーよ!!!あとおっさんじゃねーから!! そもそも男ですらねーから!!!』
そう書き込んだ。
『嘘乙ww』
『嘘つきっ子じゃなくて、嘘つきおやじだろwww』
「だからちがうって言ってんだろ!! ムカつくーー!!」
『ほんとだから!!!』
『なら証拠はよ』
『はよはよ』
『掲示板がいつもの8888888倍くらい賑わっててワロタ』
『地鶏はよ』
「うがあ〜〜!! いらいらするー!!!」
ここは一旦落ち着いて考えるんだ。
証拠になりそうなものはもってない。
だからと言って自撮りは絶対に送ったらだめ!
ネットに自撮りをあげたら取り返しがつかなくなるからね。
「自撮りは無理だけど、これならどうかな? 食いついてくれたらいいんだけど……」
『自撮りは無理。だけど明日ゴブリンダンジョンに行くからその時に私を見つけたら写真撮っていいよ! ここにその写真あげていいよー!』
すぐに反応があった。
『はいスクショしたー』
『上に同じ』
『さすがにここまでして逃げないでしょww』
『おまいら明日ゴブリンダンジョン集まれよ』
『いやとーいってww』
『レベル14でゴブリンダンジョンとか死ぬんじゃね?ww』
『ダンジョン自殺はやめとけよww骨とか残らんからwww』
『固有スキル持ちならワンチャン……?』
『確かに』
『固有スキル「嘘つき」』
『誰も騙せてなくて草』
『質問、特徴とか教えて。でないとわからんわ』
『↑に同じ』
『特徴はよ』
どうせバレないんだし、教えてもあげよう。
『身長は150より少し高めで髪は黒でロングだよ。あと大きめのリュックを背負ってるから目立つと思う。まあ頑張って探してね!』
私はそう書き込んで掲示板を閉じた。
「早くご飯とアイス食べたいけど、DMも一応開いた方がいいよね……うう、めんどくさい……」
いつの間にかDMが50件以上も届いていた。
めんどくさいけど一応全部見ておく。
前のスライムダンジョンのことだけで私有名になりすぎてないか?
それかあれかな?
冒険者って暇人ばっかりなのかな?
通報します系は全員ブロックして通報。
自撮りはよ系も全員ブロックして通報。
残ったのはたったの3件。
1件目。
『あんな奴ら無視した方がいいですよ。これからも冒険者活動頑張ってください!』
天使か? 神様か?
『ありがとうございます! お互い頑張りましょう!』
と返信した。
この人とはこれからも仲良くしていきたいね。
2件目。
『スキル教えてください!』
スキル系はもっと来ると思っていたのにまさかの1件。
『無理です。ごめんなさい』
と返信したらブロックされた。
短気なのかな?
バニラアイス食べてカルシウムを摂ることをおすすめするよ。
3件目。
『あなたが嘘つきじゃないことは分かっています。私とパーティを組んでくれませんか? ちなみに女です。17歳です。レベルは16です。身長だけ嘘をついてたことは誰にも言わないから安心してください!』
文が長すぎるよ!
あとどうして私が嘘ついてないって分かったの?
それに身長を少し盛ったこともバレてるし。
この人一体何者なんだ?
『身長は150です! 嘘じゃないです! なんならアイスを賭けてもいいですよ!』
と返信してみた。
数分待つと、
『私もそこまで高くないから気にしなくていいですよ️(笑) アイスが好きなんですか? また今度買ってあげましょうか?』
と返ってきた。
やっぱり嘘ってバレてる……
この人が何者かよく分からないけど、アイスをくれるって言ってる人に悪い人はいないね。
『分かりました。パーティを組みましょう!』
と返信した。
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