第20話

 さあ、僕も魔法使いだ!

 リアとの訓練にも気合が入る!


 と思って宿に帰った。

 お昼からリアと、レンさんと少し訓練をする。


「きゃん!」

 バリバリ!


 なんか前より雷が出しやすくなった気がする。


「きゃん!」

 シュパッ!

 風もだ。


 嬉しいな!でも魔力が必要だ。体鍛えないとダメだなあ。


「テン、疲れたからお昼寝しよう。」

「きゃん!」

 するするー!


 リアは朝からの洗礼で疲れたようだ。僕たちは訓練を切り上げてお昼寝をすることにした。




「リアご飯だよ。」

「あ!テンのご飯!」

 リアのお父さんの声とリアの慌てる声が聞こえる。

「温めといたから大丈夫だよ。」

「お父さんありがとう!」


「テン!ご飯だよ!」

「きゃん!」

 わーい!お腹空いてるよ!


 僕はリアのとろこに駆けつけた。


 がぶがぶがぶがぶ

 ミルク、美味しいな。


「もう、テン、顔についてるわよ。」


 食べ終わるとレンさんが顔を舐めてくれた。


「きゃん!」

 レンさん、ありがとう!



「それじゃあ、明日の朝に出発するから準備してね。」

「わかった。次はどこに行くの?」

「次は剣士の里よ。」

「剣士の里?どうして?」

「結界師は結界師と名乗るわけにいかないからよ。剣士の里で少し修行して基礎を身につけてもらうわ。」

「これからアルは剣士ってことにしとくの?」

「そうよ。剣士の里は申請すればそういう隠蔽もしてくれる里なの。」

「そうなんだ。わたしも修行するの?」

「ええ。剣士の里は他のスキル相手にも修行をしてくれるところだから、リアも体力づくりで参加するといいわ。」

「わかった。」


 明日、もう出発するみたいだ。剣士の修行かあ。僕は剣は持てないよね。


「きゅん」

「あら、テンどうしたの?」

 レンさんが心配してくれる。

「僕、剣は使えないよね。」

「そうね。爪もまだ短いし。」

「だよね。今回はついていけないのかな?」

「基礎訓練だけ参加したらどう?リアのお父さんも昔参加してたわよ。わたしもその時基礎訓練は一緒にしたの。」

「そうなの?よかった。リアに言ってくる。」


 僕はリアの方へ駆け寄った。


「テン、どうしたの?」

 リアが僕を抱き上げる。抱き上げると同時にリアの負担が軽くなるように少しジャンプする。


「きゃん」

 僕も剣士の訓練に参加する。


「え?できるのかな?お母さん、テンが剣士の修行参加したいって。」

「え、どうなのかしら?」

「昔、僕が参加した時にレンが参加してたから大丈夫だよ。」

「そう。なら一緒に申し込みましょうね。」

「うん!よかったね、テン!」

「きゃん!」

「テン、よろしくな。」

「きゃん!」


 次は剣士の里か。楽しみだな。どんなところかなー。

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