第24話  やらかし

「ちょっと、考えてもいい?

知歩と相談するから。」

「あ、うん?」

よしっ翔君の返事もきたし、帰ろっと。

『ガシッ』

手を掴まれた先を見ると、リコだ。

「待ちなさいよ。なんでそこに妹の名前が出てくんのよ?」

「え?

知歩がそれは私の代わりに翔君と付き合ってたからであっ。」

やばい。言っちゃった。どーしよ?

……よしっ逃げるしかない。後のことは知歩に任せて帰ろう。

って翔君もういないじゃん。さすがサッカー部のエース!足が速い。私も逃げよーっと。

みんなはまだ頭にはてなが浮かんでるみたい。

おかげで私を掴んでた手が緩んだ。

おらー走れー。

まぁ、スポーツ万能な私ならよゆーで逃げ切れるね!

廊下だけど走ります。すみませんー。今回ばかりは許してくださいー。と思いつつ走る。

よしっここの角を曲がれば玄関だ。

『バッタンッ』

「いったー。」

「痛。おい、走るなよ。」

あわわ、誰かにぶつかっちゃった。

「ごめんなさい。」

やっぱり、廊下を走るのは良くないのかも。

「全く。ほら立てるか?」

こっちがぶつかったのにも関わらず手を貸してくれた。優しい。

「あ、ありがとう。」

私は手を取って立ち上がった。彼の顔は見たことがなかった。見てたら絶対覚えてる。だって翔君と同じくらい、いやそれ以上のイケメンだった。

「じゃ、俺用事あるから。」

「あ、うん。」

彼の後ろ姿をぼーっと眺めてた。

ん?よく見ると上履きが私と違う。

もしかして、転校生なのかなー。

「おいっいたぞー。」

「捕まえろー。」

あっ、クラスの男子が私が来た方向から追いついてきた。

見てる場合じゃない。早く家に帰らないとクラスの奴らに捕まるって。

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