第23話  本当の気持ち

「でも、こんな僕だけど…

もう一回付き合って下さい。」

また翔君に告白され、た?

でも前回とは違う。耳が、頬が赤く染まっている。

もしかして照れてる?!

「は?」

「え、どゆこと?」

「意味わかんないっ。」

リコたちが困惑してる!ってことは、これはゲームじゃない、本当の翔君の気持ちなの?

「えっとー、付き合って初めて分かったんだ。菜歩ちゃんのイメージが変わった。なんか思ってたのと全然違って、今までのイメージってただの偏見だったんだなって。普段の生活だと遅刻してきそうとか、スポーツするときみたいな服装で来るとかって勝手に思ってた。でも、その、デートのときは時間前にちゃんと来るし、髪型とか服とかちゃんとしててさ、僕のためにしてきたって思ったらすごく嬉しかった。」

知歩先生ーもしかしてコレがギャップ萌えですか?翔君に刺さってるよ。

「だからさ、僕は菜歩ちゃんのことが好きです。一回遊びで付き合ってまた、振っといて本当に悪いと思ってる。でも、好きなんだ。これは本当の気持ちなんだ。僕とまた付き合って下さい。」

また、真っ直ぐこっちを見てくる。この目には嘘がつけないなー。

で、これは勝手に了承しちゃダメな気がする。知歩がお遊びで告白したこと知ったら好きじゃなくなるかもしれないから。だから、私が今言うべきなのは返事を後回しにするための理由だから…?

「ちょっと、考えてもいい?

知歩と相談するから。」

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