第21話  波乱

今日は月曜日。

知歩が翔君と遊園地でデートした次の日だ。

また、ボッチな学校生活が始まるとなると憂鬱だ。

あと、勉強も嫌い。

全部の授業が体育だったらいいのになー。

「おはよう。」

鞄を背負ったままの翔君が挨拶してきた。

ボソボソと言ってきた。なんか、元気ない?

いつもより来るのが遅い。

私が来るときには必ず準備も終わっていて

ゆっくりしてるんだけどな。

表向きは彼女だから心配した方がいいのかな?

でも、他の人には付き合ってることは

バレては行けないんだよね。

それに、リコの視線もあって怖い。

普通に返せばいっか。

「うん、おはよ。」


それからは特に何も翔君についていつも違った様子に気づくことはなく帰りの会が終わった。

「礼」

「「「「さようなら」」」」

「じゃあみんな、先生たちは会議があるけど早く家に帰るんだよ。」

急ぎ足で先生が立ち去ったこのタイミングで名を呼ばれる。

「菜歩ちゃん。」

あれ、翔君。あんまり話さない方がいいんじゃないのかな?

「———僕と別れて下さい。」

え?

理解できない。

えーとー

菜歩と私が付き合ってることにはなってて

それで、、フラれた?

知歩がフラれた?可愛いのに?

しっかりしてるのに?あんなに尊いのに?

「もしかしてー、理解できてない?」

「え、確かにそう見える。」

「笑えるんだけど。」

リコたち?なんで笑って?

もしかしてこの反応を見るに、みんな付き合ってること知ってた?

「ハッキリ言ってあげるよ。あなたが翔君と付き合ってたのはー——

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