第20話  デート(夜)

月がやっと顔を出した頃、観覧車に乗ったです。

閉園時間的にこれが最後になるです。

色々なところが光っていて綺麗だったです。

まるで、私を応援しているかのように輝いてた

です。やっぱ、これは気のせいかもです。

暗くなった空を見て、デートの終わりを

感じるです。もう、終わってしまうです。

恐らく“最初で最後のデート”がです。

翔君のことを知れた、話せた、見れた、

自分のことを伝えた、見せられた、です。

(翔君は自分を菜歩と思ってるはずですが)

近くで翔君を見てそのカッコ良さ、かわいさを

改めて感じられたです。

この機会は菜歩がいないとなかったです。

だから、菜歩がいることに感謝しないとです。

ずっとこの時間が続けばいいです。

ずっと観覧車が上にいてくれればいいです。

翔君も楽しかったらうれしいです。

しみじみとした気持ちでいっぱいで私達は

何も話さずに駅まで着いてしまったです。



「と、まぁこんな感じでしたです。

 とにかく、とても楽しかったです♪♪」

と、知歩は締めくくる。

でも……

気のせいだと思うんだけど、

なぜか少し寂しそうに見える。

きっと、昨日のデートが終わったからだよね。

でも、(表向きには)私と翔君が

付き合ってるのだからこれから何回でも

デートなんかはできるのに…

だから、寂しがる理由にはならないと

思うんだけどな。




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