第17話  朝

『チュンチュン』

『ピピッ』

 むぅ、目覚まし時計が鳴った?眠いー。

 だいたい今日は日曜日なのに

 目覚まし時計いらないよー。

 ん、日曜日?知歩にデートのこと聞かないと‼︎

 ガバッと起きてパジャマを脱いで部屋着を着る。

 そんないつも通りの支度も今日はもどかしい。

 よしっ、着れた。

「知歩〜、教えて!」

知歩がいるであろうリビングにドアを開けて

飛び出した。知歩はテレビを見ていた。

「遅いです。……それと、慌てすぎです。

 Tシャツの前後が逆です。」

「へ?」

いつもは軽く確認してたけど、

そーいえば、今日は急いでてよく見なかったな。

こーゆときは、手だけ脱いで、

Tシャツを半回転回す。そして手を通せば––––

出来上がり!!

みんなもやったことあるハズだよねー。

だって、すごく楽だから。後で聞いてみよっかなぁ

でも、クラスメイトじゃ無理かなぁ

もう5月になるのにまだ馴染めないんだもの。

なんか、壁がある感じがするんだよね。

翔君の席は遠いから話しづらそう。

去年は、席が近くてたくさん話せたなあ。

あっ、話したやつで覚えてるの知歩に言わないと

いつかその話題になった時のためにね。

「菜歩、何してるです?

 話すですからさっさと隣に座るです。」

「あっ、あーごめん」

知歩は楽しかったデートの事を

聞かせたい気持ちでいっぱいで

待ち遠しそうだった。

「菜歩、聞くです。

 まず翔君とは鯉里駅で待ち合わせをしたです。

 それから、愛々遊園地で––––

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