第16話  帰宅

『ガチャ』

「ただいまです〜」

あっ知歩が帰ってきた‼︎

もうっ遅いって、11時じゃん。

パパもママもデートだから

「帰るのが遅くてもいいから、楽しんできてね〜」

って認めちゃってるし。2人ともラブラブだから

恋に関することはなんでも許してるよぉ。

だから、自分達にも甘いし。

「お帰り、知〜歩。––––で、どうだった?」

「とっても–––楽しかったです☆

 菜歩の知りたいことは明日話すです。

 短い睡眠は美貌のためにはよくないです。」

「えー、こんなに待ってたのに?」

「はいです。さっさと寝るです。

 菜歩は明日の予定はないはずです。」

「えっ知歩、なんで分かるの?」

私、遊びに行く時とか言い忘れるから

どうしても直前に言うのに……

「簡単なことです。菜歩は予定があると

 いつもより早く寝ようとするです。

 朝に弱いから時間に間に合うよう必死です。

 夜遅くまで菜歩が起きていると、いうことは

 明日に予定はないと分かるです。」

むむむ、知歩はそんなことまで分かっているのか。

「そーいえば、今日の朝は目覚ましが設定通りに

 鳴らなかったなぁ。

 そのせいで、あっやっぱなんでもない。

 あれ?早く寝るときの理由がバレてる

 ということはまさか……」

【早起きしてついて行く作戦‼︎】の内容って確か

早く寝て、明日早く起きよう!

みたいな感じだったよね。

“早く寝て”……

明日の予定はなんにも無いから

明日の予定=知歩のデートについて行く

ってことじゃん!?バレバレじゃん!?

「ついでに、タイマーの時間も9時に

 再設定しておいたです。」

「えぇぇぇ!」

知歩より早く寝たらタイマー変えられるし、

知歩より遅く寝たら早く起きれないし、

もう無理じゃん。

ついて行くことは無理だったんだ。

「じゃあ、菜歩はもう寝るです。

 今日のデートのことは明日、日曜日に教えるから

 早く、知りたければ早く起きるです。

 私はお風呂に入らなければいけないです。」

「分かったよ、おやすみ知歩。」

「おやすみです。」

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